研究課題/領域番号 |
20K10765
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58060:臨床看護学関連
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研究機関 | 名桜大学 |
研究代表者 |
玉井 なおみ 名桜大学, 健康科学部, 教授 (80326511)
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研究分担者 |
木村 安貴 名桜大学, 健康科学部, 上級准教授 (90812917)
吉澤 龍太 名桜大学, 健康科学部, 助教 (70925792)
神里 みどり 沖縄県立看護大学, 保健看護学研究科, 教授 (80345909)
西田 涼子 名桜大学, 健康科学部, 助教 (40557295)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 乳がん / 運動 / 持続可能 / オーダーメイド / ケアプラン |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、乳がん患者の生命予後に影響する運動(身体活動を含む)に焦点をあて、持続可能なオーダーメイドウォーキング・ケアプランの構築と標準化の確立である。そこで本研究では、1)乳がん患者に特化したオーダーメイドウォーキング教育媒体の作成、2)専門家によるオーダーメイドウォーキング・ケアプランの構築、3)看護師による乳がん患者へのオーダーメイドウォーキング・ケアプランの標準化の確立、4)オーダーメイドウォーキング・ケアプランの波及効果、を計画している。 研究者と医療者、運動の専門家が協働して簡便かつ持続可能なオーダーメイドウォーキング・ケアプランを構築し、臨床ケアへの標準化の確立を目指す。
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研究実績の概要 |
令和4年度は、新型コロナウイルス(以下、COVID-19)の感染流行の継続により、がんサバイバーの運動施設の視察や乳がん患者への介入調査等の実施が困難であったため、令和3年度の計画の見直しを基に下記の通り研究に着手した。 1.COVID-19感染拡大下の行動制限による乳がんサバイバーの身体活動の実態調査:COVID-19の感染拡大により活動制限を求められている現状においては、乳がんサバイバーの身体活動を含めた運動の実施率の低下が懸念される。そこでCOVID-19の感染拡大に伴う行動制限下において乳がん患者の身体活動の変化が心身やQOLに及ぼす影響を明らかにすることを目的に実態調査を実施した。現在は、分析をすすめ研究成果を論文としてまとめている段階である。研究成果は、COVID-19の感染拡大下においても乳がんサバイバーの身体活動を低下させず、かつ安心して持続可能な運動の支援方法や教育媒体に活かしていく予定である。 2.乳がん患者に特化した自作の教育媒体を活用した啓発活動:最新の国内外の論文を用いて文献検討を継続するとともに、著者がこれまで乳がん患者への啓発活動として用いた資料や先行研究のエビデンスを参考に作成したリーフレットを用いて、調査に協力した方に「がんと運動」の効果について説明し、具体的な方法論などについて相談に応じる等の啓発活動を行った。 3.がんサバイバーに関する学会発表:日本がん看護学会学術集会において筆頭者として2編、共著者として1編の研究成果を発表した。現在は、分析を進め論文投稿の準備を進めている。 4.論文発表:がんサバイバーの精神的支援およびケアに活かすことを目的とした2題の研究テーマの共著者として論文発表を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
令和4度は、COVID-19の影響により計画していたがんサバイバーの運動施設の視察や乳がん患者への介入調査等実施することができなかった。令和4年度はCOVID-19の影響を強く受けた本県においては、介入研究の見通しは立たなかった。介入研究の開始時期については、本研究の対象者が乳がんサバイバーであり感染症の重症化リスクが高いことを鑑み、COVID-19の感染状況を注視し医療施設と連携を図りながら計画していく。 現在、COVID-19の感染流行が長期化している現状において乳がんサバイバーも身体活動は少なからず低下していることが予測されることから、自宅でも簡便に継続できるような運動支援が必要である。そこで、本年度は、COVID-19感染対策の影響で身体活動が影響受けているか否かの実態調査を実施した。現在は、調査結果を分析し、論文投稿に向けて準備をしている段階である。またその成果は、乳がんサバイバーの運動支援に関する教育媒体や運動支援プログラムに繋げていく。
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今後の研究の推進方策 |
1.COVID-19感染拡大下の行動制限による乳がんサバイバーの身体活動に関する論文発表:COVID-19の感染拡大が長期化する中、不特定多数の人が利用し感染リスクが懸念される屋内外の場所への移動制限や感染リスクへの不安により、乳がんサバイバーの身体活動を含めた運動の実施率の低下が懸念される。乳がん患者にとって運動は生命予後を改善する他、副作用軽減などの効果が報告されており、コロナ禍においても安心して持続可能な運動方法を検討する必要がある。そのため、感染状況を鑑み調査時期を対象施設と調整しながらコロナ禍における乳がんサバイバーの身体活動の実態調査を実施した。現在は、分析をすすめ論文投稿に向けて準備を進めている。 2.乳がん患者に特化したオーダーメイドウォーキング教育媒体の作成:1)コロナ禍における乳がんサバイバーの身体活動の実態調査の研究成果を踏まえ、コロナ禍でも安心して継続できる運動方法を検討し、教育媒体を作成する。2)最新の国内外の論文を用いて文献検討を継続するとともに、著者がこれまで乳がん患者への啓発活動として用いた資料や先行研究のエビデンスを参考に作成したリーフレットを用いて、調査に協力した方に「がんと運動」の効果について説明し、具体的な方法論などについて相談に応じる等の啓発活動を行った。がんサバイバーから直接声を聴き、活用可能な教育媒体並びに支援方法について検討していく。 3.医療者と運動専門家によるオーダーメイドウォーキング・ケアプランの構築:医療者と運動専門家によるケアプランの検討を行う。但し、COVID-19の感染により重症化のリスクの高い乳がんサバイバーを対象としているため、介入時期は流行状況と医療施設の状況を鑑みて進めることとする。
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