研究課題/領域番号 |
20K10767
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58060:臨床看護学関連
|
研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
久保 五月 北里大学, 看護学部, 教授 (60348597)
|
研究分担者 |
清水 奈緒美 地方独立行政法人神奈川県立病院機構神奈川県立がんセンター(臨床研究所), その他部局等, その他 (00627672)
近藤 まゆみ 北里大学, 大学病院, その他 (10627459)
松原 康美 北里大学, 看護学部, 准教授 (10779010)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | がん体験者 / がん患者 / ヘルスリテラシー / 情報リテラシー / 情報ニーズ / 情報探索行動 / 看護師 / 情報支援 |
研究開始時の研究の概要 |
がん体験者が溢れる医療情報に翻弄されることなく、適切な意思決定を行うためには、がん体験者自身のヘルスリテラシーを高めることが必要である。そのためのアプローチとして、本研究ではがん体験者にとって最も身近な医療者である「看護師の支援力を育成するプログラム」の開発をめざす。研究方法はアクションリサーチを用い、5年の研究期間で、①情報支援者として看護師に求められる力と、②その力を育成する方法の2点を明らかにする。研究成果として、がん体験者のヘルスリテラシーを高める「プログラム」が完成し、臨床に導入されれば、看護師の情報支援の力が向上し、看護実践の質的な変化が期待できる。
|
研究実績の概要 |
研究目的は、がん体験者のヘルスリテラシーを高めるために、看護師の情報支援力を育成するプログラムを開発することである。2023年度は、神奈川県下のがん診療連携拠点病院9施設に勤務する看護師190名(有効回答率20.0%)を対象とした質問紙調査結果を詳細に検討し学会で報告した。概要は以下のとおりである。 【看護師による情報支援】:163名(85.8%)が行っていた支援内容は、「わかる範囲で質問に答える」「相手にあわせて説明方法を工夫する」等、情報提供者としての支援が多かったが、「患者の質問を促した」「患者に情報源や調べ方を伝えた」等、患者のヘルスリテラシーを高める働きかけも見うけられた。一方、「患者から求められなかった」「支援の必要がないと思った」等の理由で26名(13.7%)が情報支援を行っておらず、看護師の意識を高める必要性が示唆された。 【看護師自身の情報リテラシー】: 情報探索に困難を感じた経験をもつ人は135名(71.1%)であり、その理由は「欲しい情報・適切な情報が得られない」「信頼できる情報か判断できない」等であった。情報の入手、理解、評価という一連の情報探索過程において自身の能力不足に直面しており、情報リテラシーを向上させる必要性が示唆された。活用頻度の高い情報源は、「看護師」「医療・看護系の雑誌・書籍」「医師」「インターネットサイト」の順であり、情報への信頼度、問いへの即応性が重視されていた。インターネット上の健康情報を活用する能力を示すeHealth Literacy Scale(eHEALS)得点について、対象属性による有意な差は認められなかった。 2023年度は、文献レビューおよび前述の調査研究の結果から、①がん体験者への情報支援を促進・阻害する要因、②看護師が求める教育やサポート内容を抽出し、看護師の情報支援力を育成するプログラムの試案を作成した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
看護師の情報支援力を育成するプログラムを試案したが、新型コロナウイルス感染症の長期化に伴う看護師の疲弊により、予定していた質的研究が実施できていないため。
|
今後の研究の推進方策 |
現在、研究フィールドを検討中である。フィールドを確保した後、作成したプログラム内容の妥当性と効果、実施可能性について、看護師およびがん看護専門看護師を対象としたフォーカス・グループインタビューを行い、プログラムの精錬を図る予定である。
|