研究課題/領域番号 |
20K10772
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58060:臨床看護学関連
|
研究機関 | 中部大学 |
研究代表者 |
渋谷 菜穂子 中部大学, 生命健康科学部, 教授 (40324420)
|
研究分担者 |
高橋 里沙 天理医療大学, 医療学部, 准教授 (90596206)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
|
キーワード | 精神科看護師 / 精神科の理解度 / 実践能力 / 質問紙開発 / アンケート調査 / 質問紙 / 看護実践能力 / 尺度開発 |
研究開始時の研究の概要 |
看護師は患者に対する怒りをコントロールすることが求められる。しかし、看護師が怒りを喚起してから実際の反応行動に至るまでには、「怒りをコントロールする力」に代わる別の要因の存在が考えられることがわかっている。 本研究においては、「怒りの表出に影響を与えた要因」の中から最も影響が大きいと思われる「看護師の精神科の理解度」を選び出し、この「精神科理解度チェック表」を作成することを目的とする。
|
研究実績の概要 |
怒りを喚起してから実際の反応行動に至るまでの過程において、本研究代表者の別研究より導き出した「怒りの表出に影響を与えた要因」の中から最も影響が大きいと思われた、「精神科の理解度と精神科看護の実践能力(精神疾患や精神疾患患者との関わり方など、精神科に関わるすべて事項を含む)」を選び出した。それは、精神科看護師が対患者場面において怒りを喚起した時、患者や第三者に対して怒りを表出したり物に対して怒りを表出する場合もあれば、怒りを表出することなくその看護師の中に抑え込んでしまう場合が考えられるが、その違いが起こる原因を考えた時、精神科看護師が持っている精神科に対する理解度が大きいのではないかと考えたためである。そこで、「精神科理解度チェック表」を作成する必要性を考えた。そのため、『精神科の理解度 及び 看護実践能力』を測定する尺度を開発することを本研究の目的とし、2021年度末までの2年間をかけて、尺度としてSPN質問紙(Study of Psychiatric Nursing)の原型(85項目)を作成した。その後、質問紙の洗練を数回繰り返し、臨床用のSPN質問項目(70)項目へと作成し直し、SPN最終版として完成させた。 2021~2022年初めにかけて所属大学の倫理審査委員会の承認を得て、本格的に調査を開始した。2022年度開始以降、研究代表者の居住県内の複数の精神科病院に勤務する看護師に調査を依頼し、約150名から回答が返送されてきており、データとして入力し分析を開始するところである。ただ、データとして分析するには合計300名程度の回答が必要であることが想定されているため、隣県(2県)の精神科病院にも調査対象を広げたいと考えている。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
2020~2021年度にかけて質問紙SPNを完成させることができ、その後、所属大学内の倫理審査委員会においても承認を得ることができたことから、一時的に研究実施が進んでいた。 しかし、2022年度もコロナ禍が続き、学外の研究分担者・研究協力者と直接集まって相談することが不可能な状況が続いていたことと、また、研究代表者の体調不良により研究を続行することが困難な時期があったことから、隣県の精神科病院の看護師への調査用紙の配付が進んでいない。
|
今後の研究の推進方策 |
研究代表者、及び研究分担者が居住する県内(C県)の精神科病院に勤務する看護師を対象にした調査は実施済みであり、これまでに7病院、約200名の精神科看護師に調査用紙を配付したが回収は7割程度である。安定的なデータ分析のためにも、精神看護師300名程度のデータを収集を望んでいるため、今後は隣県(D県とE県)の精神科病院にも協力を依頼する予定である。 この調査が終了した後は、開発したSPN質問紙の信頼性・妥当性を分析する予定である。 また、最終の研究段階として、精神科看護師が選択する、怒り感情の表出方略/非表出方略という、怒り感情の制御尺度の作成に取り掛かりたいと考えている。
|