研究課題/領域番号 |
20K10773
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58060:臨床看護学関連
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研究機関 | 愛知医科大学 (2021-2023) 人間環境大学 (2020) |
研究代表者 |
林 さえ子 愛知医科大学, 看護学部, 講師 (40759544)
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研究分担者 |
安藤 詳子 名古屋大学, 医学系研究科(保健), 教授 (60212669)
大石 ふみ子 聖隷クリストファー大学, 看護学部, 教授 (10276876)
佐藤 一樹 名古屋大学, 医学系研究科(保健), 教授 (60583789)
福田 博美 愛知教育大学, 教育学部, 教授 (90299644)
加藤 亜妃子 人間環境大学, 看護学部, 准教授 (30553234)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 前立腺がん治療 / 性機能障害 / 患者のニーズ / 情報提供ツール / ケアニーズ / 質的研究 / 患者の体験 / 看護実践 / 質的内容分析 / 量的分析 |
研究開始時の研究の概要 |
前立腺がん治療は性機能障害を高率に発生させ、患者は自分らしさのイメージやパートナーとの人間関係に変化が生じ苦悩を抱えている。しかし、性機能障害に対する標準化された看護が存在しないため、表面化されにくい性の苦悩は意識されにくく支援は不足している。 本研究では、前立腺がん治療に伴う性機能障害にまつわる体験とケアニードを治療ごとに詳細に調査し、結果に基づき前立腺がん治療に伴う性機能障害を支える患者と家族のための情報提供ツールを作成する。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は,前立腺がん治療に伴う性機能障害を支える患者と家族への情報提供ツールを検討することである。2023年度は,がん患者の支援やケアに関する最新の科学的・社会的情報を提供することを目的とした国際ジャーナルに以下の内容の論文を投稿し掲載された。 前立腺がん治療に伴う性機能障害にまつわる日本人患者のケアニーズを明らかにすることを目的に,44名の前立腺がん患者を対象に,1対1の半構造化面接を行い,データは主題分析を用いて分析した。44名の治療の内訳は,根治的前立腺全摘除術10名,外照射療法13名,小線源治療5名,アンドロゲン遮断療法12名,複合的治療3名,無治療経過観察1名であった。診断時の年齢は47歳から82歳で中央値は66.0歳。分析の結果,4つのコアカテゴリが得られた。 ①性機能障害の悩みに寄り添う医療者の姿勢:患者は性的な問題を他人に打ち明けにくく,性機能障害に対する医療者の関わりが少ないと語った。②治療決定前に,性機能障害と対処法を正確に理解できる情報:日常社会における性機能障害に関する情報不足,医療機関からの情報のわかりにくさが,治療を後悔する原因となっていた。③個人やカップルに対する専門的なケア:患者は,パートナーが患者の性機能障害の苦悩を理解しようとしなかったり,セックスのない関係を許容しなかったりするために,親密さの喪失に直面し,専門家の介入を希望していた。④性機能障害の問題を解決するための患者同士の交流:患者は孤独を感じており,性機能障害の問題について他の患者と交流したいと考えていた。性機能障害の多様な苦悩に対応できるチーム医療の確立と協働の必要性と,性の悩みの表出を促し問題解決を促進する包括的性教育の必要性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
前立腺がん各種の治療特有の体験を明らかにするために,これまでの研究結果を整理し,質問紙調査を行う予定であった。査読の遅れにより論文出版までに予想以上に時間がかかったこと,新型コロナウイルス感染症拡大防止対策の影響などの理由によりやや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナウイルス感染症拡大防止対策の様々な影響により,予定していた質問紙調査が遅れているため,研究期間を延長することとした。
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