研究課題/領域番号 |
20K10795
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58060:臨床看護学関連
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研究機関 | 京都府立医科大学 (2022-2023) 鈴鹿医療科学大学 (2020-2021) |
研究代表者 |
郷良 淳子 京都府立医科大学, 医学部, 教授 (40295762)
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研究分担者 |
山本 純子 大手前大学, 国際看護学部, 教授 (50413422)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 在宅精神障害者 / エンドオブライフケア / 困難 / 事例研究 / 概念分析 / 多職種連携 / エンド・オブ・ライフケア / 訪問看護 / 混合研究法 / モデル構築 |
研究開始時の研究の概要 |
4段階による研究で在宅精神障害者のEOLCの実践的モデル構築を目指す。在宅精神障害者のEOLCの実態と課題を明らかにする(第1段階)。在宅精神障害者のEOLCの先駆的実践者の方略を明らかにする(第2段階)。その方略を、訪問看護師等の日々の実践に取り入れ、実践で現実可能なEOLCとして醸成させる(第3段階)。第3段階の評価し、在宅精神障害者のEOLCの実践的モデルを構築する(第4段階)。
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研究実績の概要 |
令和5年度は、精神疾患を持ちかつ生命維持のリスクとなる身体疾患を持つ人のエンド・オブ・ライフケア(以下EOLCとする)の特徴と課題を明らかにすることを目的とした。在宅でのこのような患者(以下事例とする)への看取りは全く手探りの状態で、経験のある訪問看護師の研究協力者としてのリクルートには困難を極めた。結果的に、目的的サンプリングで、看護職15名(訪問看護師10名、その他看護職5名)に、データ収集を行った。 語られた事例は、統合失調症が13名、アルコール依存症が2名、気分障害2名、強迫性障害2名、その他1名で、男性8名、女性12名であった。がんを併発していた事例が17名であり、統合失調症で、かつがんの事例は11名であった。明らかになった特徴は、統合失調症の事例では【がんの強い否認】があり、がんの治療やケアができないまま亡くなっていた。加えてほぼすべての事例で、【精神症状に覆われる痛みの感じなさ】があり、看護職は、身体疾患のアセスメントやケアの困難さを感じていた。結果的に事例が望む【変わらない日常生活行動の継続】に応えるケアを行い、一方で【EOLC の逡巡】が看護職にはあった。 また【生死の意思決定の断続的な支援】の困難さは、事例の【死の否認】と【精神症状に覆われる痛みの感じなさ】に起因していると考えられた。訪問看護師に特徴的なケアは、これまでの愛憎まみえた事例と家族の関係性を理解して、【患者に両価的な思いを抱える家族のケア】であった。【生死の意思決定の断続的な支援】のために精神障害者の特徴を踏まえたアドバンス・ケア・プランニングの必要性があるが、【緩和ケア専門職との連携】が、重要であることが示唆された。 この結果に基づき、次年度は、在宅精神障害者へのEOLCの骨子を作成する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
研究当初コロナ禍で研究実施が困難であったことや、所属機関でのコロナ禍における研究以外の業務が多忙であったため。また本研究に該当する研究参加者のリクルートに時間がかかったことが理由である。
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今後の研究の推進方策 |
質的研究でまとめた内容を分析し論文にまとめる。 令和5年度までの研究の結果をもとに、精神科訪問看護ステーションの訪問看護師を対象に精神障害者のどのように本人の生き方、死に方への希望を確認しているか、あるいはそれを可能にしているか、その困難は何かを質的研究で明らかにする。そのうえで、精神科訪問看護ステーションの訪問看護師を対象にアドバンス・ケア・プランニングの実態と困難を質問紙調査で同定し、この2つの結果を統合させる。それに基づいて、在宅精神障害者のEOLCの実現に向けての提言と実施に向けた骨子を作成する。
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