研究課題/領域番号 |
20K10799
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58060:臨床看護学関連
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研究機関 | 福岡大学 |
研究代表者 |
黒髪 恵 福岡大学, 医学部, 講師 (30535026)
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研究分担者 |
坂本 明子 久留米大学, 文学部, 准教授 (40469359)
中島 充代 福岡大学, 医学部, 教授 (60320389)
畑中 聡仁 福岡大学, 医学部, 助教 (90847849)
原田 康平 福岡大学, 医学部, 助教 (70758747)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2023年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 精神科病棟 / リカバリー志向プログラム / リカバリー / IPPO / 医療者の変化 / 参加者の変化 / リカバリー支援 / モデル構築 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、精神科病棟におけるリカバリー支援モデルの構築に関する介入研究である。精神科病棟では入院期間が短縮化している一方で再入院率は上昇しており、地域生活を維持できるような退院支援が課題となっている。入院患者は急性期か急性期を脱し回復期に移行する段階で退院となる。地域生活を定着するためには、精神疾患を持ちながら自分らしく生きることをイメージし退院することが必要である。 そこで今回、病棟で実践するリカバリープログラムの内容・方法を病棟患者用に検討・修正すること、リカバリーの考え方を基盤とした支援へのシフトを目的とした医療者への研修を行い、病棟におけるリカバリー支援モデルの構築を目指す。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、リカバリー志向プログラムに参加した医療者の変化およびプログラムに参加した患者のリカバリー促進効果を明らかにし、精神科病棟におけるリカバ リー支援のモデルを構築することである。2022年度に研究活動として実践した内容を中心に報告する。研究フィールドは大学病院の精神科病棟である。使用したリカバリープログラムは、筆者が開発したリカバリー志向プログラム「IPPO」を使用して実施している。 1.リカバリープログラムの実践:患者および医療スタッフが参加し、精神科病棟においてリカバリープログラムを毎週実践している。週1回、45分、4回1クール で、入院中の患者と医師・看護師・精神保健福祉士が参加して実践を継続している。2022年度は、10クール(延べ40セッション)実施した。 2.医療スタッフへのリカバリーに関する研修会およびファシリテーター養成研修会:病棟の医師に対して年1回、リカバリーチームの看護師とは月1回の勉強会 を実施している。2022年度は、リカバリーチーム勉強会3回、病棟看護師学習会1回、医師勉強会1回実施した。ファシリテーター養成研修は、3名を対象に5回1クールで実施し、結果ファシリテーターは、5名を維持している。 3.実践の評価として、リカバリープログラムに参加した医師2名にインタビュー調査を行い、参加前後の変化についてデータを収集した。また病棟スタッフ全員を対象にリカバリーへの認識尺度、リカバリーの知識尺度、ストレングス志向態度尺度を使って、データを収集した。2021年度から2022年度にかけて合計37例 収集し、リカバリープログラムへの参加者と非参加者の比較をしていく予定である。 2023年度は、参加患者および医療者の研究参加者を増やし、データ収集と分析を行っていく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
1.プログラムの実践に関しては、2020年度および2021年度は、新型コロナウイルス感染症(COVID‐19)の影響を受けて実践ができなかった。2022年度は、感染予防に注意しながら試験的にリカバリー志向のプロ グラムを開始し、週1回のセッション、4回1クールで計10クール実施できており、順調にプログラムの実践を行ってきた。そのため医療者に関しては順調にデー タの収集できているが、参加患者数が少ないことや未成年患者の参加が多かったことで患者側の事例数が伸びていない現状がある。 2.ファシリテーター養成のための研修会や病棟医師・看護師への勉強会の提供は、計画通り実施できた。そのため医療者に関する調査は順調に経過しているといえる。 以上の現状を踏まえて、調査は進んではいるが、患者さんの事例数が少なく現在26例で目標の40例に満たない状況でまだ到達できていない。そのためやや 遅れていると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
本研究は、リカバリー志向プログラムに参加した医療者の変化およびプログラムに参加した患者のリカバリー促進効果を明らかにし、精神科病棟におけるリカバ リー支援のモデルを構築することを目的としている。2020年度及び2021年度は新型コロナウイルス感染症の拡大により病棟が閉鎖され、研究者が立ち入ることやグループ療法ができな かったため、ほとんど活動ができなかった。しかし2022年度は、感染予防に注意しながら、参加人数を減らした状況で、研究活動を実践できている。臨床側の協 力も充分に得られ、研究環境も調整できている。そこで、2023年度は、週1回のセッションをつづけ、年10クールを実践し、2023年度は患者さんからのデータ16例目標としていく。医療者に関しては、年2回の医師への勉強会、年1回の看護師への勉強会、ファシリテータ養成研修を継続していく。
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