研究課題/領域番号 |
20K10810
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58060:臨床看護学関連
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研究機関 | 和歌山県立医科大学 |
研究代表者 |
辻 あさみ 和歌山県立医科大学, 保健看護学部, 教授 (60310794)
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研究分担者 |
森岡 郁晴 和歌山県立医科大学, 保健看護学部, 教授 (70264877)
山口 昌子 和歌山県立医科大学, 保健看護学部, 講師 (00554536)
上田 伊津代 和歌山県立医科大学, 保健看護学部, 講師 (90530709)
阿部 雅 和歌山県立医科大学, 保健看護学部, 助教 (40866399)
鈴木 幸子 四條畷学園大学, 看護学部, 教授 (60285319)
瀧藤 克也 和歌山県立医科大学, 医学部, 非常勤講師 (00254540)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2023年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 低位前方切除術 / 排便機能障害 / 排便障害 / 就労支援 / 直腸がん / 大腸がん患者 / がん患者 / QOL |
研究開始時の研究の概要 |
1.排便障害のあるLAR後の患者の就労と、職場で労働者を支援している産業保健師に焦点をあて、自記式質問紙調査および半構造化面接より労働者の就労状況および労働者と職場双方の就労に関する認識や職場風土などの実態を調査し、LAR後の労働者が就労継続を可能にするモデル要素を抽出する。 2.調査結果を踏まえ、医療関係者(医師、看護師、がん専門看護師、患者支援センターの看護師)、産業医、社会保険労務士、産業保健師でワークショップによる検討を行い、施設・多職種で実施可能な就労支援プログラムを開発する。 3.開発したプログラムをLAR後患者に実施と評価を行い、就労継続を可能にする就労支援プログラムを開発する。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、大腸がんで排便障害のある低位前方切除術(以後LARと略す)後患者の就労継続に影響するセルフケア能力や就労に関する認識などの個人要因と、大腸がん患者を受け入れている企業の職場環境、職場風土などの環境要因を明らかにし、就労継続を可能にする支援内容を検討することである。 2021年度は、LAR後患者も含めたがん患者の就労に及ぼす要因について文献検討や情報収集等を実施した。その結果、就労を困難にする要因に患者レベルでは病の受け止め方、自己開示できるセルフケア能力、術後の合併症の程度や受け止め方、サポート体制の有無など個人要因が大きいことが明らかとなった。また、企業側の要因としては企業組織のあり方や風土による影響が大きいことが明らかになった。 さらに、LARのみならずがん等の病をもって就労している患者の就労継続に影響する要因を調べた結果、治療に関する知識や情報の不足、情報をもっていても情報を整理できないリテラシーの問題、術後合併症の有無や自らの病について他者に開示するためのコミュニケーション能力の問題が影響していることが明らかになった。しかし、本研究の対象であるLAR後患者に焦点をあてた研究は少なく、排便機能障害があるLAR後患者の就労に及ぼす影響は明らかにされていなかった。 そこで本年度は、排便機能障害があるLAR後患者の就労に及ぼす患者側の個人要因を探索することを目的に、身体状況に問題がなく、定期の検診のため通院し、研究協力が得られたLAR後患者を対象に、対面もしくはオンラインによるインタビューを実施することとする。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
2021年度は、排便障害のあるLAR後患者の就労と職場環境の実態調査(概要)を調査する予定であったが、新型コロナウイルス(COVID-19)による影響で、予定どおり実施することが困難な状況があったことや、本来は産業保健師に焦点をあて、調査を実施する予定であったが、低位前方切除術後で排便障害のある従業員への対応経験のある保健師が少なかったため、研究方法を見直しをおこなった。その結果、現在治療はうけず定期的に外来通院しているLAR後患者のうち就労を継続している、または、術後に就労を断念した患者を対象に、就労に影響を及ぼす要因を探索的に検討することを目的に、インタビューを実施することとした。そのため、本年度はオンラインによるインタビューの実施を可能にする環境を整えることを優先的に行った。
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今後の研究の推進方策 |
2021年度は研究協力に承諾が得られた排便障害のあるLAR後の患者と職場で労働者を支援している産業保健師に焦点をあて、調査を実施する予定であったが、研究条件を満たす研究対象者が少なかったため、研究方法の見直しを行った。また、文献検討により、就労を困難にする要因に患者レベルでは個人要因が大きく、企業側の要因としては企業組織のあり方や風土による影響が大きいことが明らかになった。そこで本年度は、研究協力が得られた身体状況に問題がなく、定期の検診のため通院し就労している患者を対象に、患者側の個人要因を探索することを目的に、対面もしくはオンラインによるインタビューを実施することとする。
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