研究課題/領域番号 |
20K10823
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58060:臨床看護学関連
|
研究機関 | 日本赤十字広島看護大学 |
研究代表者 |
戸村 道子 日本赤十字広島看護大学, 看護学部, 教授 (00343682)
|
研究分担者 |
木村 幸生 日本赤十字広島看護大学, 看護学部, 講師 (70549112)
笹本 美佐 千里金蘭大学, 看護学部, 教授 (70568104)
松本 陽子 日本赤十字広島看護大学, 看護学部, 講師 (10709166)
惠良 友彦 日本赤十字広島看護大学, 看護学部, 助教 (80879817)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
|
キーワード | 精神科看護 / 看護倫理 / 倫理レジリアンス / ケアの質 / 倫理的悩み / 倫理的レジリエンス / 職場環境 / レジリエンス / 精神科看護師 / モラルディストレス |
研究開始時の研究の概要 |
精神科看護師が倫理的悩みを契機として、成す術もなく問題を看過し患者ケアの質の低下を引き起こす陰性のサイクルにおちいるのではなく、陽性のサイクルに転化するための看護師個人の要因(倫理的レジリエンス)および外的な職場環境の要因は何かを明らかにする。精神科看護師を対象に個人と職場環境、患者ケアとの関連について精査し、メカニズムを示すモデルを構築する。
|
研究実績の概要 |
本研究は、精神科病院で働く看護師が倫理的な課題に遭遇した時、倫理的課題について察知し、困難な状況にあってもその状況について看過するのではなく、状況を適切に評価判断し、建設的な問題の解決を図ろうとする倫理的レジリアンスの様相と、職場環境、提供するケアの質からのモデルを構築することを目的としている。 本研究のキー概念である「倫理的レジリエンス」について、Rushton(2018)の捉える定義から、「逆境にもかかわらずに看護師個人の全体性、統一性を維持し、回復する個人の能力」と捉えた。研究計画の遂行の状況は、数年続いたコロナ禍での対応と教育業務の煩雑さ(臨地実習の中止・学内実習への対応、業務の増加、さらに研究協力者の退職等により研究班の入れ替わり等)により、研究の進行が大幅に遅れている状況がある。 研究内容に関わる精神科医療システム全体の現状として、看護師の倫理レジリアンスを職場環境から捉えた時、精神障害者にも対応した地域包括ケアが進められていいく一方で、特に昨今のマスコミ等でも報道されているように、精神科病院でのコロナ患者の対応とケアの課題、看護職者による虐待、全国的な身体拘束件数の増加、未だ適応されている精神科特例によるスタッフ人数の欠如など、安全で治療的な環境を提供するための医療システム全体の課題も多く指摘されている。このような日本の精神科医療の課題と、ポストコロナ禍で各精神科医療施設の抱える問題点や課題を加味し、看護者が倫理的な課題とそれに対応することに、どのようにケアの質を捉えるかについて海外文献を中心に未だ模索している状況である。早急にインタビュー調査を開始していく予定。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
研究者の学内業務の増加、研究協力者の退職に伴う研究班の入れ替え、またコロナ禍で研究者らの教育の対応、さらに精神科医療の在り方自体も研究内容に影響する状況もあり、研究計画の遂行が大幅に遅れている。今年度最終年にデータ収集を進めていく予定である。
|
今後の研究の推進方策 |
研究計画遂行をより可能とするため、今年度研究協力者を迎え研究班を新らたに組織した。現在の精神科医療の課題の概要を把握し、コロナ禍以前平時の状況での看護の質をどうとらえるか早急に検討し、質的なデータ収集を行う。
|