研究課題/領域番号 |
20K10826
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58070:生涯発達看護学関連
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研究機関 | 仙台青葉学院短期大学 (2023) 山形大学 (2020-2022) |
研究代表者 |
佐藤 幸子 仙台青葉学院短期大学, 看護学科, 教授 (30299789)
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研究分担者 |
今田 志保 (佐藤志保) 山形大学, 医学部, 講師 (00512617)
遠藤 芳子 岩手保健医療大学, 看護学部, 教授 (20299788)
塩飽 仁 東北大学, 医学系研究科, 教授 (50250808)
種吉 啓子 東京都立大学, 人間健康科学研究科, 准教授 (80352053)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 子供 / 意思決定能力 / 構造分析 / 評価方法 / 小児看護専門看護師 / 意思決定 / 支援 / プロセス / 高度実践 / 能力 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は,医療における子どもの意思決定能力の構造を明らかにし,子供の意思決定能力を評価する方法を開発することである。 研究目的を達成するために,①倫理的調整の実践能力の高い小児専門看護師や臨床経験の豊富な小児科専門医を対象にインタビュー調査を行い,子供の意思決定能力の構造を明確化する。②明確化された子供の意思決定能力の構造を基に研究者間で検討し,評価の構成要素及び具体的指標を抽出する。③抽出した評価の構成要素及び指標の妥当性について,小児看護を実践する看護師や小児看護学研究教育者を対象に調査を行い,子供の意思決定能力の評価方法の妥当性を検討する。
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研究実績の概要 |
子供の意思決定能力の構造を明確化するため,小児看護専門看護師8名を対象として半構成的面接を実施した。その結果,小児看護専門看護師が子供の意思決定支援を行うにあたり,<支援の必要性の認知>のためには<支援の判断の基準となる倫理観>が必要であり,また,子供にあった方法を調整するためには<支援方法を決めるための子供の見極め>が必要であることが示唆された。 この結果をもとに看護実践のための子供の意思決定能力を評価するためのチェックシートを作成し,デルファイ法によりその妥当性を検証するための一次調査を実施した。その結果,四分位範囲が1以下のもので,項目の表現が分かりにくいとの意見が多かったことから,基準を満たさなかった項目の表現等を修正することにより,合意率が高まることが考えられた。これらを踏まえ二次調査を実施した。その結果,質問項目の適切性および適応可能性については全項目で中央値が4以上であり,また,全項目で平均値が3.5以上であった。四分位範囲では適切性で8項目において,適応可能性において9項目が基準を満たさなかった。基準を満たさなかった項目について,子供の意思決定能力評価における必要性を研究者間で確認し,すべてが子供の意思決定能力のアセスメントに必要な項目であり,中央値と平均値においては基準を満たしていることから,四分位範囲で基準を満たさなかった項目も削除せず,9カテゴリ27項目を完成版として採用することが望ましいと考えられた。 二次調査の結果については日本小児看護学会で発表予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究の方法として,①倫理的調整の実践能力の高い小児看護専門看護師や臨床経験の豊富な小児科専門医を対象にインタビュー調査を行い,子供の意思決定能力の構造を明確化する(質的研究)。②明確化された子供の意思決定能力の構造を基に研究者間で検討し,評価の構成要素及び具体的指標を抽出する。③抽出した評価の構成要素及び指標の妥当性について,小児看護を実践する看護師や小児看護学研究教育者を対象に調査を行い(量的研究),子供の意思決定能力の評価方法の妥当性を検討する計画であった。しかし,妥当性の検証方法の精度を上げるために,全国の小児看護専門看護師を対象にデルファイ法により検証する方法に切り替えた。 その手順は①子供の意思決定能力のアセスメント用チェックシートの妥当性を質問する自記式アンケート調査を2回以上繰り返し行うことを対象者である全国の小児CNSに添付の説明同意文書により説明し,同意書にて同意を得る。②質問紙による第1次調査として先行研究から作成した「子供の意思決定能力評価チェックシート」等からなる質問紙を用いて,チェックシート項目の妥当性について調査を実施する。質問項目は,(1)対象者の属性と(2)子供の意思決定能力評価チェックシートの各項目に対する適切性と活用性(5段階の順位尺度)である。③チェック項目の妥当性についての質問紙調査結果を集計する。集計結果を踏まえてチェックシートの修正を行う。④第1回目の結果集計を提示し,第2回目の修正版チェックシートの各項目の妥当性について調査を実施する。 現在二次調査の分析まで終了しており,今後は結果の公表を学術集会及び学術論文として行う予定であるため,概ね順調に進展していると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
医療における子供の意思決定能力の評価のための指標の作成は,これまで明確化されてこなかった領域であるため,ミックスメソッドによる研究とした。まず,倫理的調整に関して実践能力の高い小児看護専門看護師の協力を得て,小児医療の実践に基づき質的に子供の意思決定能力の構造を分析し,その分析に基づき評価の指標を抽出し,量的にその妥当性を検討するものである。今後の研究の推進方策としては,まずデルファイ法の2次調査の結果を分析し,研究者間で子供の意思決定能力の評価方法の改善の必要の有無について検討した。大きな変更が必要ないと判断し,3次調査は行わないこととした。評価表の内容が確定できたため,今後は使用方法のマニュアル等を修正し,実用可能な完成版とし,令和6年度中に学術集会や学術論文として公表をする予定である。 子供の意思決定能力が適正に評価されることにより,子供の意思が適切に反映された意思決定支援が可能となる。さらに,意思決定能力の発達への支援も可能となる。また,評価を適正に行うことにより,最終的な親の意思決定プロセスに大きく関与し,より子供の意思や最善の利益を考慮した親に対する意思決定支援が可能となると考えている。 今後は実践の中で必要な事例において活用することにより実践的な妥当性や有用性を検証していく必要があると考える。
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