研究課題/領域番号 |
20K10827
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58070:生涯発達看護学関連
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研究機関 | 山梨大学 |
研究代表者 |
佐々木 美果 山梨大学, 大学院総合研究部, 助教 (80620062)
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研究分担者 |
小林 康江 山梨大学, 大学院総合研究部, 教授 (70264843)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 特定妊婦 / 気になる妊婦 / 社会的ハイリスク妊婦 / 社会的ハイリスク / 助産師 / 支援 |
研究開始時の研究の概要 |
国は妊娠期からの継続支援を特に必要とする妊婦を特定妊婦と規定し、支援の必要性を強調している。周産期医療に携わる助産師は、育児をみすえ妊娠期から特定妊婦に対し継続した支援を行う役割を担っているが、現在その支援内容は統一されていない。そこで本研究は産科医療施設に勤務する助産師が、妊娠中から退院時までに特定妊婦をどのように抽出し彼女達と関係性を構築しながら、多職種と連携し継続支援を行っているかを明らかにすることを目的とし、助産師が行う特定妊婦に対する支援内容を明らかにすることから、今後の特定妊婦に対する支援システムの標準化の構築をめざす。
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研究実績の概要 |
令和5年度は、分析したデータの一部の結果をもとに、助産師が今後の育児が困難になるであろうと予測する「気になる妊婦」の因子構造について、Japan Journal of Nursing Scienceに発表した。 全国の病院および診療所に勤務する1,389名の助産師が、「かなり気になる」ととらえた27項目の妊婦の様子を抽出し、探索的因子分析を行った。その結果、7因子23項目が抽出された。抽出された各7因子は、【親密なパートナーからの暴力(IPV)被害が疑われる】【夫婦(パートナー)との関係に違和感がある】【妊娠に対する葛藤を感じる】【保健医療行動に違和感がある】【身体のリスクを伴う行動がある】【子どもとの関係が築けていない様子がある】【ボンディング障害が疑われる発言がある】と命名した。さらに7因子23項目の確認的因子分析を行ったところ、適合度指標を満たしていた。確認的因子分析の結果として、各潜在因子の間に高い相関が存在したため、2次因子分析を行った。その結果、≪緊急に支援につなげる必要がある妊婦≫という2次因子名が抽出された。また2次因子分析の適合度を確認したところ、適合または許容範囲であった。 これらの結果より、助産師が今後の育児困難を予測する「気になる妊婦」は7因子23項目であることが明らかとなり、助産師が「気になる妊婦」を察知するための手がかりを示すことができた。今後は助産師が察知する「気になる妊婦」の視点を、母子保健に関わる専門職が共有していくことで、助産師がとらえきれていない視点をチーム医療として補完することができ、「気になる妊婦」を多面的な視点から察知することが可能になると考える。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
質問紙調査で得たデータの一部を分析し、助産師が察知する「気になる妊婦」の因子構造に関する論文発表は行うことができた。しかしデータ分析および論文の投稿までに時間を要し、全ての分析を終了することができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
昨年度までに分析が及ばなかった、助産師が察知する「気になる妊婦」の様子に関するデータや、助産師の属性をふまえた内容についても検討を行い、分析を進めていく予定である。
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