研究課題/領域番号 |
20K10829
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58070:生涯発達看護学関連
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研究機関 | 滋賀医科大学 |
研究代表者 |
白坂 真紀 滋賀医科大学, 医学部, 助教 (40378443)
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研究分担者 |
底田 辰之 滋賀医科大学, 医学部, 非常勤講師 (10464182)
桑田 弘美 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (70324316)
西倉 紀子 滋賀医科大学, 医学部, 助教 (00649246)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 在宅医療 / 医療的ケア児 / 成人期移行支援 / アクションリサーチ / 移行期医療 / 移行期支援 / 多職種連携 / 子ども / 自立 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、アクションリサーチを用いて在宅医療を受ける子どもの成人期に向けて、その自立過程を支援する実践を評価することである。出生数が減少している日本社会において、人工呼吸器や経管栄養などの医療デバイスを使って自宅で生活する子どもは増え続けている。一方で、彼らが地域で生活するための支援システムは構築途上にある。子育ての目標(ゴール)は子どもの自立である。特に 少子高齢社会の日本においては、医療を受けながら生活を送る子どもたちの豊かな将来を保障し、社会成員として地域で育成すること、共に生きていくことは重要である。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、アクションリサーチの手法を用いて、在宅医療を受けている子どもが成人として自立する過程を支援する実践を評価することである。本年度は、A大学病院の移行期医療連携チーム(以下、チーム)で小児科外来から成人外来への移行を支援した知的障害と自閉症のある成人事例を検討した。小児科外来と成人外来の診察場面、看護師やMSWとの面談場面に研究者が同席し、様子を記録しデータとした。成人外来の診察が複数回終了した時点での半構成的面接(感想や困り事、希望など)の逐語録、チームの会議記録をデータとして分析した。B氏は、C疾患があり、知的障害と重度の自閉症のため、母親が自宅で服薬など療養生活を管理している。同年5月から毎月、小児科と並診しながら、成人外来で診察と処置を行った。診察や医療従事者との面談(計9回)、半構成的面接1回、チーム会議は2回であった。いずれの場面もB氏が答えることは殆どなく、情報は母親から得る形であった。「Bは毎日作業所に通所し規則正しい生活を送っている。本人が意思決定をすることは難しく、服薬や医療処置も自分(母親)が管理している。これまで通り必要な書類の作成をお願いできるなら、本人の年齢を考えると成人外来で構わない」、「幼少期は採血など大変であったが今はBが慣れてきた。同じ病院内のため、外来が変わっても大丈夫だと思う」、「苦痛が強くなってから体調の変化を伝えるため、私(母親)が気づく必要がある」、「病気だけでなく知的な障害とも付き合っていく必要があり、年齢を重ねると希望する体制やシステムは変わると思う」、「成人外来の医師はBに向かって話してくれ、問題はない」。成人診療科への移行は、対象に知的障害がある場合はより困難であることも指摘されている。本事例においても、家族によって本人の生活や健康が管理されている状況であり、今後も経過を観察し状況の変化に対応する必要がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究フィールドが一時制限された期間が生じたことにより進捗は遅れていたが、当初目的から大きく外れないよう計画の一部を修正し調査に取り組み直したため。
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今後の研究の推進方策 |
今後も、研究フィールドの小児科に通院する成人期にある対象(患児・者)の移行期支援事例を重ね検討する予定である。
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