研究課題/領域番号 |
20K10843
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58070:生涯発達看護学関連
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研究機関 | 名寄市立大学 (2021-2022) 札幌保健医療大学 (2020) |
研究代表者 |
網野 真由美 名寄市立大学, 保健福祉学部, 助教 (50828671)
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研究分担者 |
山田 典子 日本赤十字秋田看護大学, 看護学部看護学科, 教授 (10320863)
兵頭 秀樹 福井大学, 学術研究院医学系部門, 教授 (30306154)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2020年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | 子どもの怪我 / 皮膚観察 / 皮膚観察ツール / 子どもの虐待発見 / 皮膚観察アプリ / 子どもの観察 / 保育園 / アプリ / 保育士 / 子ども / 児童虐待 / 簡易記録 / けが / 子ども虐待 / 早期発見 / 観察記録 / 看護師 / 看護記録 / 看護診断 |
研究開始時の研究の概要 |
児童虐待を防止するための看護職の役割の一つは、児童虐待の予防と早期発見である。研究代表者の網野(2017)は、児童虐待に対する判断は難しいなどの困難感がある看護師が多数いることを関連文献の中で明らかにしている。児童虐待に対する判断のしづらさを解消し、同一の判断基準をもつことが重要である。そこで本研究では、特殊カメラを使用し子どもの体表を観察し、精密な看護記録として【子どもの体表観察ツール】の開発を行う。
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研究実績の概要 |
今年度は最終年度の予定であり、研究実施計画の、1.研究協力施設の確保2.子どもの体表観察ソフト作成3.保護者へ研究の説明会を実施4.データ収集5.VeinViewerの画像等の観察記録作成を実施、6.データの収集、7.データ分析と評価、8.アンケートの実施の4.データ収集から8.アンケートの実施をし、統合する予定であった。しかし、コロナウィルス感染状況により、研究協力各施設の閉園や研究者の出入りが困難になる等の状況から、研究進捗状況が一時滞り、調査の継続が困難となった。そのため、4.のデータ収集期間を今年度10月末まで延長した。その後、データ回収を済ませ、データ分析中、来年度延長1年を申請し、分析結果を論文発表する予定で現在準備中である。子どもの皮膚観察ツールの開発として、前年度までにスマートフォンアプリ「みまもる君」を開発後、各研究施設で使用してもらいながら意見を集約し、アップデートを繰り返し完成版とした。研究協力施設である保育所と幼稚園計7か所で、子どもが皮膚の変色が伴うけがをした際に、本アプリの使用をしてもらい、協力施設の保育士から、アプリの使用について効果や感想意見を集約し、それについても論文でまとめていく。また、本アプリを使用することで、子どもの体表を観察し、小さな変化や異常の早期発見をする意識が高まり、本研究のアプリが大きな意義をもたらしていたと考える。一方、けがの観察としての本アプリの写真撮影を拒む親子に対し、保育園側の観察力を高められたという意見もあった。忙しい保育や医療現場で、子どもを正確にどう観察していけば良いのか、本調査を通して考察していきたいと考えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
新型コロナウィルス感染状況の中、研究協力施設の閉園などに伴い、研究者が研究施設への出入りが困難であったこと、行事などの縮小により、けがの発生が少なかったこと、研究協力スタッフの人員不足や多忙により調査が困難となった期間があった。そのため、調査は大幅に遅れたことにより、次年度への延長を申請することとした。子どもの皮膚観察ツールとして、アプリ「みまもる君」の開発を経て、保育園、幼稚園等、各協力施設で使用をしながら、何度かのアップデートを重ね完成版となった。今年度は完成版のアプリを使用し、10月末まで調査期間延長とした。その後、データ収集をし、現在けがの写真や基本データの分析中である。次年度にその結果について論文化できるよう、現在は準備中である。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、本アプリ内の子どもの背景や状況等の基本データと子どものけがの写真について分析を進めていく予定である。写真については、可能な限りカラー分析も含める。更に、背景との関連も見ていき、虐待のリスク要因となる基本観察項目も含め、本アプリが子どもの虐待の早期発見へも繋げていけるか評価していく。課題としては、コロナ禍での調査となり、研究者が子どもがけがをした際に写真撮影に入れない状況が多く、特殊カメラを有効的に撮影することが困難であった。更に研究協力施設のスタッフ複数人に撮影をしてもらったことにより、一定の撮影条件を満たすことが難しく、研究の限界についても分析内容とともに示していく必要があると考える。以上の状況から、本研究の目的に対し限界も感じられたことから、本アプリを保育スタッフが使用した際にみえてきた、子どもへの観察力や観察点、子どもや保護者の反応についても示していけたらと考えている。
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