研究課題/領域番号 |
20K10864
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58070:生涯発達看護学関連
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研究機関 | 日本福祉大学 (2023) 兵庫県立大学 (2020-2022) |
研究代表者 |
福本 環 日本福祉大学, 福祉社会開発研究所, 研究員 (40650619)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 性暴力 / 女性 / 看護ケア / 医療機関 / 質的研究 / 性暴力被害女性 / 被害直後 / 質的内容分析 / 実践能力 / 尺度開発 |
研究開始時の研究の概要 |
性暴力被害者支援には看護職の活躍が期待されているものの、看護職が提供すべきケア内容は不明瞭なままである。本研究は、基盤C(H29-31)で得られた看護職20名のインタビューデータをもとに被害直後の性暴力被害女性に必要とされる看護ケア内容を概念化し、看護ケア実践能力を測定できる尺度を開発する。研究方法は、看護職2000人を対象とした郵送調査法であり、分析は概念を潰さないよう主成分分析を用いる。本研究で開発する尺度は、看護職が自身のケア実践能力を客観的に評価できる日本発のツールとなる。
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研究実績の概要 |
研究代表者は、本研究において、WHOが2020年に提言した性暴力被害者への臨床ケア(Clinical management of rape and intimate partner violence survivors:developing protocols for use in humanitarian settings)のPart3(Clinical management of rape)を質的記述的に分析することによって、性暴力被害直後の女性のための日本の医療機関における看護ケアを抽出し考察した。分析には、研究代表者が基盤研究C(H29-R3)で明らかにした被害直後に医療機関を受診した性暴力被害女性に対し看護職が実際に提供しているケア内容等を用いた。分析の結果、看護ケアとして【自己決定権を尊重する】【知る権利を尊重する】【情報を収集し保持する】【診察環境を整える】【健康被害を最小限にする】【様子や感情に留意しながら穏やかに対応する】【与え得る苦痛に注意を払う】【身体的治療とセルフケア方法を提供する】【心理感情的ケアを提供する】【安全な生活をサポートする】が抽出された。得られた結果を考察し、本研究で抽出された看護ケアは、日本の医療機関に従事するすべての看護職が法的文化的に問題なく実践可能であり、また、被害直後の性暴力被害女性に必要とされる看護ケアであることが示唆された。今後、当該看護ケアを習得できるための教育体制を充実させることによって、全国に広がる医療機関における性暴力被害直後の女性のための看護ケアの質の向上に貢献することが期待できると考えられた。 最終年度となる令和5年度は、本研究を通じて明らかにされた看護ケアについて学会発表および論文投稿を行った。
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