研究課題/領域番号 |
20K10872
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58070:生涯発達看護学関連
|
研究機関 | 摂南大学 |
研究代表者 |
舟木 友美 摂南大学, 看護学部, 助教 (40826228)
|
研究分担者 |
岩隈 美穂 京都大学, 医学研究科, 准教授 (60512481)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
中途終了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2024年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2023年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
|
キーワード | 子宮頸がん / ワクチン / 意思決定 / 情報提供 / ワクチン接種 |
研究開始時の研究の概要 |
子宮頸がんワクチン定期接種における“積極的勧奨の差し控え”が決定されてから6年が経過し、ワクチン接種に関する判断は、接種当事者に委ねられている。本研究の目的は、子宮頸がんワクチン接種において、当事者である接種対象者および保護者の効果的な意思決定を支援する、情報提供システムを構築することである。具体的には、子宮頸がんワクチンの接種に関する①意思決定の過程に必要な情報内容と情報提供方法を解明する。その結果をもとに、②情報提供システムの試作および③効果の評価を行い、最適なシステムへ改良し、子宮頸がんワクチンに関する意思決定を支援する情報提供システムの体系化を目指す。
|
研究実績の概要 |
本研究の目的は、子宮頸がんワクチン(HPVワクチン)接種において、効果的な意思決定を支援する情報提供システムを構築することである。2021年は、情報ニーズを探索するために、HPVワクチン接種の積極的勧奨の差し控え期間に接種対象となった娘を持つ母親にインタビュー調査を実施した。 分析の結果、4つの分析テーマが生成された。テーマ1の「意思決定の促進要因」では、【子宮頸がんの罹患が及ぼす重大さ】【HPVワクチン接種のリスクとベネフィットの対比】【知識や情報を得るネットワークとリテラシー】【接種への決断に向けた最後の一押し】、テーマ2の「意思決定の阻害要因」では、【子宮頸がんに対する不十分な知識と低いリスク認知】【不確実な情報がもたらすHPVワクチンに対する否定的イメージ】【HPVワクチンへの誤解や不信感】【届かない情報】【娘と対話することの迷いと困難】【親として迫られる決断までのタイムリミット】のカテゴリーが抽出された。テーマ3の「意思決定過程に生じる心の揺らぎ」では、【後悔のない決断は自己責任】【一般的知識と娘への副反応に対する感情の葛藤】【ママ友関係が崩れることへの不安】、テーマ4の「求めている支援」では【専門家からのエビデンスのある情報】【当事者からの経験談】のカテゴリーが抽出された。 2022年度よりHPVワクチンの積極的勧奨が再開される。2年間の研究では、勧奨再開前のHPVワクチン接種の意思決定に影響する要因を明らかにした。この結果をもとに、接種対象者やその保護者のワクチンに対する考えや情報ニーズの変化などに注目した継続的な調査が今後可能となる。これにより我が国の文化や価値観、8年間の積極的接種勧奨の差し控え等の情勢を反映したHPVワクチン接種の意思決定に向けた支援につなげることができ、さらには我が国の様々な分野での意思決定支援の手掛かりになることが期待できる。
|