研究課題/領域番号 |
20K10880
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58070:生涯発達看護学関連
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研究機関 | 京都橘大学 |
研究代表者 |
清水 彩 京都橘大学, 看護学部, 准教授 (90552430)
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研究分担者 |
石井 豊恵 神戸大学, 保健学研究科, 教授 (00452433)
岡田 志麻 立命館大学, 理工学部, 教授 (40551560)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 早産児 / 家族 / 体動 / ファミリーセンタードケア / ヘルスリテラシー |
研究開始時の研究の概要 |
早産児の成長・発達を促進するディベロップメンタルケア(DC)は取り組まれているが,施設独自での取り組みであり標準化したものが開発されていない.そこで,本研究の目的は,新生児集中治療室で保育器に収容された早産児の子どもの成長・発達に応じた体動の特性を明らかにし,家族が早産児の理解を助けるツールを開発することである.【基礎調査】として,早産児の体動を録画画像の差分処理により定量化した基礎情報を集積し,早産児の体動の日内変動と影響する内的・外的な【要因探索】を検討する.その後,文献検討結果も考慮した【媒体作成】家族向け早産児の体動に関する理解を助けるツールを作成し,家族らへ【介入調査】を行う.
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研究実績の概要 |
令和4年度は,第2段階にて、早産児の体動の日内変動に影響する【要因探索】と,第3段階:家族向け早産児の体動に関する理解を助けるツールを作成する【媒体作成】を進めた. 【要因探索】については,早産児の体動に影響を及ぼしている新生児が経験する『痛み』と『疼痛管理』』に関するレビューを行った.『処置痛』と『術後痛』を対象として,Cochrane Review,PubMed,医学中央雑誌等にて,ガイドラインやシステマティックレビューを検索した.その結果,外的要因としては,環境(光・音等),日常生活援助(いわゆるお世話)(おむつ交換,体位変換,環境調整,癒し等),(お世話以外で要する)看護行為(バイタルサイン測定,吸引,注入等),診療(採血,薬剤等),内的要因としては,児の疾患,児の成長・発達(臓器の成熟,体力等),生理的ニーズ(空腹,努責感,疲労等),ストレス対処力(疼痛の持続,不快感,慣れ等)が抽出された.一方で,外的要因のケア管理の可能性を検討する仮説検証の準備を進めた. 【媒体作成】については,家族向け早産児の体動に関するツール開発について,海外での取り組みを情報収集した.両親が体動からわが子(早産児)の状態理解が促進されるかかわりを推奨し,そのかかわりが早産児に及ぼす効果を示す一般的な特性について紹介するツールが活用されていた. よって,家族向け早産児の体動に関する理解を助けるツール開発には,家族が早産児とのかかわりへの動機づけも必須であることが明らかになった企画とツール案の作成を開始し,(フィールドワーク再開後,)提供方法について検討する. 以上より,令和5年度は,先行研究のレビューを通して仮説検証するデザインを検討し,既存の画像から場面特定と解析準備を進め,家族向けのツールについても,企画とツール案の作成に進むことができた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
令和4年度は,既存データを用いる計画変更(仮説の修正)をしたことにより,看護職のかかわりを解釈したプロトコールの作成や場面の切り取る新たな作業が想定よりも複雑化し,その作業を進めることに困難さが生じて,研究の進捗に遅れが生じた.そこで,次年度以降,状況を考慮しながらも,共同研究者と定期的に共有し,スーパーバイズもタイムリーに得られる体制を調整し,可能であれば,研究補助者を確保する等の対策強化をする見通しを立てている.
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今後の研究の推進方策 |
令和5年度は,早産児がミニマムハンドリングにて安静(安楽)を保持していけるように、早産児の体動の日内変動と影響する外的要因を明らかにする仮説の実証(第2段階)と,家族向け早産児のかかわりを促進し、体動を含めた早産児の理解を助けるツールの作成と評価(第3~4段階)を計画している. 第2段階ついては,早産児の内的要因:児の疾患,児の成長・発達(臓器の成熟,体力等),生理的ニーズ(空腹,努責感,疲労等),ストレス対処力(疼痛の持続,不快感,慣れ等)を考慮して,日内変動のある体動と外的要因;環境(光・音等),日常生活援助(いわゆるお世話)(おむつ交換,体位変換,環境調整,癒し等),(お世話以外で要する)看護行為(バイタルサイン測定,吸引,注入等),診療(採血,薬剤等)との関連を検証する。 第3~4段階ついては,令和4年度に作成した企画案に基づき、利用対象をNICUに入院されている早産児に面会する両親とするツールを作成する。内容については、海外での取り組みと本研究の第2段階までの結果を参考に,両親と始めるNICUからの育児(ファミリーセンタードケア)、両親から早産児へ推奨される(時期相応しい)かかわりの紹介(わが子に関心を向ける動機付け)、両親が早産児のお世話をする際に手掛かりとなる一般的な早産児に関する知識提供(わが子のしぐさ等に関心を向けるきっかけづくり)を柱とする。(フィールドワークできる状況になれば,)倫理審査を経て、当事者への調査を経て、実用性等の評価をする. なお、調査結果については,国内外の関連学会にて結果を公表する機会を設ける.
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