研究課題/領域番号 |
20K10893
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58070:生涯発達看護学関連
|
研究機関 | 国際医療福祉大学 |
研究代表者 |
上里 彰仁 国際医療福祉大学, 医療福祉学部, 教授 (90547449)
|
研究分担者 |
坂本 幸平 国際医療福祉大学, 医療福祉学部, 助教 (40734843)
丸谷 美紀 国立保健医療科学院, その他部局等, 統括研究官 (50442075)
竹内 崇 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 准教授 (70345289)
二見 茜 国立感染症研究所, 実地疫学研究センター, 研究員 (80802595)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
|
キーワード | 妊産婦 / 外国人 / メンタルヘルス / 保健師 / 多文化共生 / 遠隔通信機器 / タブレット端末 |
研究開始時の研究の概要 |
日本が本格的な多文化共生の時代に突入していく中、外国人労働者の問題は大きく取り上げられる一方で、それを支える生活の基盤である共同体・家族はあまり注目されない現実がある。医療の面では、外国人女性が妊娠した後、言語の壁により出産・育児に向けた十分な情報を得られず孤立し、メンタルヘルスの問題を生じる例が散見される。本研究の学術的問いは、そのような外国人の周産期メンタルヘルスの問題に対して、タブレット端末によるサポート体制を構築し、その有用性を検証することである。
|
研究実績の概要 |
本年度の実績の一つとして、多言語版EPDSを保健師が携帯するタブレット端末もしくはスマートフォンで利用可能にするWebアプリを作成した。本アプリで使用できる言語は以下である(一部調整中):日本語、英語、アラビア語、中国語、ノルウェー語、ポルトガル語、パンジャーブ語、スペイン語、スウェーデン語、トルコ語、ベトナム語、オロモ語、アムハラ語、チェコ語、ペルシア語、タガログ語、ギリシャ語、ヘブライ語、ヒンディー語、インドネシア語、クメール語、韓国語、ビルマ語、マケドニア語、セルビア語、スロベニア語、ソマリ語、タイ語、ウルドゥー語、オランダ語、フランス語、ドイツ語、イボ語、イタリア語、マレー語、マレー語、マルタ語。IDを持つ各保健師が、受け持ち患者の情報を入力し、2週間および1か月時点におけるEPDSスコアを管理できる仕様となっている。 本年度の他の実績として、女性を含む日本で働くベトナム人に対してメンタルヘルスとそれに与える要因に関する調査を行った。900件超の回答から、Kessler psychological distress scaleで表される心理的苦境は、日本人や母国にいるベトナム人より度合いが大きく、これは職場における日本人とのコミュニケーション、労働負荷、そして妊娠・出産に関する環境を含む福祉と関連していることが明らかになった。在留資格別では、予想外に技術・人文・国際業務が、留学生や技能実習生、特定技能よりも心理的苦境が高かった。技術・人文・国際業務ではより日本人に近い労働が求められ、負担感が大きい可能性がある。現在、詳細な考察を進めている。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度は、保健師がタブレットやスマホで使用することを前提とした、エジンバラ産後うつ質問票を多言語で使用できるようにするwebアプリの開発を進めることができた。 一方で、日本で働く女性を含む外国人のメンタルヘルスの状態を把握し、それが職場における福祉とどのように関連しているかを明らかにする調査にも注力したため、本年度の目的の一つであった、webアプリを実際に保健師や看護師が訪問現場に携帯し、妊産婦に適用する段階には至らなかった。
|
今後の研究の推進方策 |
エジンバラ産後うつ質問票を多言語で使用できるようにするwebアプリに関して、使用者それぞれがIDを持って持ち患者の全体を管理できるようにするなどの最終調整を進める。 このwebアプリを実際に保健師・看護師に訪問現場で使用してもらい、外国人妊産婦のメンタルヘルスの状況を集計・把握できるか実証する。 本年度に得られた女性を含む外国人のメンタルヘルス調査結果を考察し、論文としてまとめる。
|