研究課題/領域番号 |
20K10921
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58070:生涯発達看護学関連
|
研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
西田 みゆき 順天堂大学, 保健看護学部, 教授 (00352691)
|
研究分担者 |
込山 洋美 順天堂大学, 医療看護学部, 非常勤講師 (90298224)
岡本 美代子 順天堂大学, 医療看護学部, 准教授 (30735858)
齋藤 尚子 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 技術員 (90621730)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
|
キーワード | 健康リスク行動 / 思春期 / コミュニケーション / 健康逸脱行動 / 健康問題 / 逸脱行動 / プログラム / 友人関係 / 意思決定 |
研究開始時の研究の概要 |
子どもが自分自身を守ることができるようなスキルの獲得について画期的な対策として、米国において1990年代から飲酒や薬物からの回避の効果が証明されている『Keepin’ it REAL(キープイットリアル)』というプログラムがある。それは思春期の子どもたちを対象としたRefuse(拒む)、Explain(説明する)、Avoid(避ける)、Leave(去る)ことを否定せず、むしろ奨励するプログラムは現在の子ども達にとって、命を救うために必要な手段を身につけさせるプログラムである。本研究では、それを日本語版に改良し「思春期の子どものためのコミュニケーションスキルアッププログラム」の構築する。
|
研究実績の概要 |
本研究の第1段階である「国内における思春期の子どものコミュニケーションの実態とニーズ」調査を行った。 日本における思春期の子どもの健康リスク行動回避に関する特徴を明らかにするために、16歳から19歳までの全国の1000人に対してWEBアンケートを行った。データ収集は、調査会社に依頼し登録中の人の中から、年齢、性別、在住などの条件を指定し絞り込んだ対象者に2023年6月から実施した。内容は、同年齢の人が「喫煙」「飲酒」「違法薬物」「望まない性的関係」について家族からの誘いが「1度もない」「1回はある」「2から3回はある」「4回以上10回未満程度はある」「答えたくない」のうち1つを選択してもらった。項目ごとに単純集計を行い、「大学生」と「高校生」の差、性差については各項目Pearsonのカイ2乗検定を行ない有意水準は5%とした。統計処理はSPSS ver.27を使用した。所属の倫理委員会の承認を得た。 対象者は16から19歳の各年齢で250名、男女ともに500名ずつの協力を得た。年齢による差では、「飲酒」「喫煙」では16、17歳では「絶対に良くない」が有意に多く、18、19歳では「良いと思う」が有意に多かった(p<.000)。「違法薬物」では、年代を問わず「絶対に良くない」と思っており年齢による差はなかった。「性的関係」では、18歳以上は「絶対にいいと思う」「いいと思う」が有意に多くかった(p<.010)。性別による比較では、「喫煙」「違法薬物」「性的関係」では女子の方が有意に高い値を示した。 この結果を「健康逸脱行動にに対する思い」「男女差」「年代による差」「家族からの誘いの実態」などを分析し、国内1件、海外2件の学術集会で成果発表を行った。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
COVID19により、実態調査が大幅に遅れたこと、実態調査のための質問紙作成に時間を要していることなどに起因する。また、データ分析に関しても、多角的な分析を行い、本来のプログラム『Keepin’ it REALプログラム』と日本の文化の違いが明らかになり、プログラム作成への着手に関しては研究計画の変更を余儀なくされていることも要因である。その上、健康逸脱行動に関する思春期の子どもを取り巻く環境がCOVID19の影響を受けていることも否めず、現状を把握することに苦慮している。
|
今後の研究の推進方策 |
日本の思春期を含む若年層の若者の問題は、社会的な影響を受けやすく、刻々と変化しており、現状を把握することが難しくなっている。そのような中、日本の思春期の子どもの現状を明らかにしている研究は少なく、本研究で全国1000人の調査を行ったことに関して、丁寧に分析を行うことが重要であると考えている。今後は、収集したデータの分析を多角的に行い、日本の思春期の子どもの健康逸脱行動に関する現状を明らかにして、研究結果を公表していく。 思春期の子どもの健康逸脱行動に対する対応から、コミュニケーションの特徴を推察するための量的な調査を行ったが、今後は質的研究において特徴を把握することが必要であると考えている。それは、日本の思春期の子どもだけでなく米国の子どもも行う必要があり、それが、プログラムの内容に影響していると考えるからである。 また、本来の目的であった米国Keepn' it REAL プログラムの内容と日本の思春期の子どものコミュニケーションの特徴とをすり合わせ、改良部分あるいは使用可能な項目について明確にし、プログラムのニーズ、実現可能性を探求する予定である。
|