研究課題/領域番号 |
20K10922
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58070:生涯発達看護学関連
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研究機関 | 聖路加国際大学 |
研究代表者 |
深野 智華 (阪本智華) 聖路加国際大学, 聖路加国際病院, 遺伝カウンセラー(非常勤) (00405367)
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研究分担者 |
青木 美紀子 聖路加国際大学, 大学院看護学研究科, 准教授 (30434187)
山中 美智子 聖路加国際大学, 聖路加国際病院, 医長 (50240057)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
中途終了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | テレジェネティクス / 遺伝カウンセリング / オンライン遺伝カウンセリング / 実践評価 / 遠隔遺伝カウンセリング / 出生前検査 / 遠隔医療 / 出生前診断 |
研究開始時の研究の概要 |
遺伝子解析の進歩に伴い、遺伝情報を基にした最適な治療の検討や、妊婦の血液から胎児の染色体異常を調べる検査が可能となり、遺伝カウンセリングの利用者が増えている。しかし、適切な遺伝カウンセリングを提供できる人材は十分ではなく、地域差が見られる。遠隔にいる人に対し情報通信機器を通じた遺伝カウンセリングが有用であれば、遺伝カウンセリングの担い手不在を理由とした機会格差や地域格差を解消できるのではないかと考えた。 本研究では、出生前検査の遺伝カウンセリングについて、患者に対して情報通信機器を用いて遠隔で実施した場合と、同室内にいて対面で実施した場合において、知識の理解や満足度に差異があるかを検討する。
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研究実績の概要 |
技術の進歩に伴い、遺伝情報をふまえた最適な健康管理の検討や、妊婦の血液から胎児の染色体疾患の可能性を調べる検査が可能となり、遺伝カウンセリング(以下GC)の利用者が増えている。一方で、適切なGCを提供できる人材は十分ではなく、地域格差が見られるとの報告もある。情報通信機器(以下PC)を用いてGCを行うことが有用であれば地域格差を解消できるのではないかと考え、遠隔遺伝カウンセリング(テレジェネティクス)の実践を評価検討した。 出生前検査に関するGCにおいて、施設内で対面にてGCを行う場合と、PCを用いてGCを行う場合に差異があるかを検証した。 対象者は出生前検査を検討している妊婦で、対面でGCを受ける群(対面群)と、PCを用いて遠隔でGCを受ける群(遠隔群)に非ランダムに割り付け、GC前後のアウトカムを量的に測定した。アウトカムは出生前検査に関する知識や理解を問う10項目で10点満点とした。また満足度や医療者の対応等について、GC後にインタビューを行った。 対面群、遠隔群ともに20名の協力が得られた。平均年齢(対面群33.65±3.47歳、遠隔群35.45±4.48歳)、GC前のアウトカム平均点数(対面群9.2±0.77点、遠隔群8.55±1.39点)、GC後のアウトカム平均点数(対面群9.55±0.69点、遠隔群9.55±0.83点)は両群で有意差を認めなかった。両群ともにGC後に正答数が有意に増加していた(対面群:p =0.03513、遠隔群:p =0.00034)。インタビューでは、両群ともGCや医療者の対応について概ね肯定的に振り返っていた。遠隔群においては、マスクせずに会話ができること、画面上で図表を確認できることへの肯定的な言及があった。両群ともに「今後もオンラインで対応してもよいのでは」と話した方が多かった。 以上の結果から、テレジェティクス活用の可能性が示唆された。
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