研究課題/領域番号 |
20K10924
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58070:生涯発達看護学関連
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研究機関 | 新潟青陵大学 |
研究代表者 |
桐原 更織 新潟青陵大学, 看護学部, 助教 (10553323)
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研究分担者 |
正木 光裕 高崎健康福祉大学, 保健医療学部, 准教授 (20780662)
倉石 佳織 西武文理大学, 看護学部, 助教 (50865409)
有森 直子 新潟大学, 医歯学系, 教授 (90218975)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | CHARGE症候群 / 小児看護 / 難病・希少疾患 / 生活支援 / データベース試作 / 看護 / データベース構築 / 評価 |
研究開始時の研究の概要 |
CHARGE症候群(CS)は、遺伝子(CHD7)機能不足を原因とする先天異常症候群で、本邦の発生頻度は出生児2万人に1人である。2017年の把握患者総数は100程度と希少で、僅少な情報かつ重複障害のために家族のセルフケアの負担は過大である。CS児への看護の現状は、専門家の偏在を背景とした、CS患者の生活やケアの情報不足と情報共有の体制欠如により、当事者の求めるケアに十分に対応できていない。本研究では、CS児への看護実践の一連を支援する機能を有するケアデータベースを構築する。本研究により、CS児への看護実践の質向上に寄与し、ひいてはCS児の生活の困難さの緩和やQOL向上につなげる事が期待できる。
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研究実績の概要 |
CHARGE症候群(以下、CS)児の生活におけるケアに関するデータベース構築を目指し、2022年度には、CS児を養育している親18名を対象としたインタビューから、「CS児を養育する上での生活上の工夫」の内容を抽出し、研究分担者・協力者と共に分析を進めているところである。CS児の各発達段階における生活の特徴と具体的な生活におけるケア内容、親が生活上で工夫した内容等を整理したものを、当事者の体験に基づいた「CS児の生活上の世話の工夫」データベースのコンテンツとして明確化するための作業である。今後、このデータベースは看護者に公開予定であり、CS児の生活の特徴や生活上で必要となる世話、親が工夫できる点等をデータベースで確認した上で、CS児や家族に対する看護に活かせるものを目指している。 また、CS児と家族の現状に関する社会への認知促進や、CS児と家族に必要な支援や多職種連携充実を目指した検討の機会とすることを目的として、2022年度10月15日に、「地域で生活する医療的ケア児と家族の支援を考えよう-重複障害児のケアを中心として-」というテーマで研修会を企画運営した。具体的な内容は、当事者(母親)・訪問看護師・特別支援学校教諭の三者を招いてのシンポジストとした。参加者は58名で、職種は看護者、大学等研究職、学生、教諭、保育士、理学療法・作業療法士等であった。当事者の体験とニーズについて周知すると同時に、医療・福祉・教育の連携について各立場から具体的に検討できる機会となったと考える。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
研究の進みが遅延している一番の理由は、Covid-19感染症流行下における研究初年度の調査実施不可の状況である。1年目に調査自体を中断せざるを得なかったこと、Covid-19の影響で研究参加予定者の辞退等があったことなどが影響し、1年~1年半ほど後ろにずれて研究を進めている状況である。また、Covid-19も影響し、海外のCHARGE症候群専門家による協力が得られなくなったことも、調査の進捗状況の遅延に影響している。 現在は、Covid-19により研究参加者や研究方法に多少の修正を要したため、改めて分析し直している段階にある。ひとまず、期間を1年間延長し、本研究を進めたいと考えている。
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今後の研究の推進方策 |
現在進めている、CS児の親18名を対象としたインタビューからの「CS児を養育していく上での生活上の工夫」に関する分析を、研究分担者・協力者と共に引き続き進めていく。なお、現在も実施しているが、月に1・2回程度の研究メンバー全体での意見交換・確認のためのミーティングを設定し、分析の妥当性の確保と同時に、確実な研究の推進を確認していく。 次の段階は、分析結果である「CS児を養育していく上での生活上の工夫」を、当事者の体験に基づいた智慧としての生活上のケアデータベースを2023年度後期に試作し(データベース、HP開設主担当:有森)、データベース使用者(看護者)による評価(主担当:桐原)まで進める予定である。
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