研究課題/領域番号 |
20K10946
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58070:生涯発達看護学関連
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研究機関 | 北海道医療大学 |
研究代表者 |
三國 久美 北海道医療大学, 看護福祉学部, 教授 (50265097)
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研究分担者 |
草薙 美穂 日本医療大学, 保健医療学部, 教授 (90326554)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 乳幼児 / 体罰防止 / 育児支援 / ガイドライン |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は,親による乳幼児への体罰を防ぐための支援ガイドラインの開発である.目的を達成するために、3つの段階に分けて研究を進める。 第1段階(2020年度から2021年度の前半)では,体罰が起きるリスク要因および対処方法の検討を行う. 第2段階(2021年度から2022年度の前半)では,乳幼児への体罰を防ぐための支援ガイドライン(素案)の作成を行う. 第3段階(2022年度から2023年度)では,乳幼児への体罰を防ぐための支援ガイドラインの素案を作成したうえで,その試用と評価、最終案の検討を行う.
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、乳幼児の親に関わる支援者にとって活用可能な「親による乳幼児の体罰を防ぐためのガイドライン」を開発することである。 令和2年度に開始した本研究は、新型コロナウイルス感染症の蔓延による影響を受け、データ収集が困難な状況が続いたが、令和4年度には母親を対象に面接調査を行い、データ収集を行うことができた。令和5年度は、さらにデータ分析を進め、乳幼児をもつ母親が困っている子どもの行動について、質的分析を行い、その成果を学会誌に投稿した。さらに、乳幼児をもつ母親が困っている子どもの行動に対してどのように対応しているか、質的分析を進めた。その結果、子どもの困った行動への母親の対処として、11のカテゴリが抽出された。子どもへの直接的な対処には、【子どもの困った行動に備える】【子どもが切り替えられるようにする】【子どもに教育的な声掛けをする】【子どもを尊重する】【子どもに強要する】があった。母親自身が認知的に行う対処には、【折れる】【子どもに巻き込まれないようにする】【心の安定を保つ】【内省する】【子どもの成長への見通しをもつ】があった。社会資源を用いた対処には、【母親以外のリソースを使う】があった。母親は子どもの困った行動の内容や程度、周囲への影響、自分の置かれている状況などによって、いくつかの対処方法を使い分けたり、組み合わせて同時に使用したり、順序性を持たせたりと様々なバリエーションをもって子どもの困った行動に対処していた。体罰を含む<身体的に強要する>という不適切な対処に至らないように,子どもの発達や母親の状況にあった対処を母親とともに検討し母親が複数の対処法を持てるような支援が望まれた。この研究成果を学術集会に発表するとともに、学会誌に投稿するため、準備を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
令和2年度から令和4年度までは、新型コロナウイルス感染症の感染拡大を受けて、本研究の対象である乳幼児をもつ母親や育児支援を担う市町村の保健師及び保育関係者への面接調査が全面的に制限された。厳重な感染防止対策により、乳幼児をもつ母親や保育関係者へのデータ収集を行う承諾が得られなかった。また、市町村の保健師には、新型コロナウイルス感染症のまん延防止のための業務が優先され、本研究への協力が得られる状況ではなかった。これらのことから、本研究で当初計画していたデータ収集が実施できなかったことが理由である。
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今後の研究の推進方策 |
令和5年5月に新型コロナウイルス感染症が5類に移行し、面接調査が開始可能な状況である。また、体罰防止に関する先進的な国ではどのような取り組みを行っているのか、日本でも活用可能な取り組みはないか、国外にも調査を広げていく予定である。
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