研究課題/領域番号 |
20K10977
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58080:高齢者看護学および地域看護学関連
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研究機関 | 関西福祉科学大学 |
研究代表者 |
森 耕平 関西福祉科学大学, 保健医療学部, 准教授 (30712202)
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研究分担者 |
村田 伸 京都橘大学, 健康科学部, 教授 (00389503)
野村 卓生 関西医科大学, リハビリテーション学部, 教授 (30423479)
堀江 淳 京都橘大学, 健康科学部, 教授 (60461597)
中野 英樹 京都橘大学, 健康科学部, 准教授 (60605559)
岩瀬 弘明 神戸国際大学, リハビリテーション学部, 准教授 (40633350)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 歩幅 / 高齢者 / 歩行 / 身長 / ダイナペニア / サルコペニア / 歩行分析 / ダイナぺニア |
研究開始時の研究の概要 |
サルコペニアは、高齢者が要介護状態へ陥る主要なリスク要因であり、発症前の徴候を早期に発見し、サルコペニアへの進行を予防する介入戦略を構築することが重要である。歩行速度の低下はサルコペニア進行の重要な徴候であり、サルコペニア診断基準の1つとなっている。しかしながら、歩行速度低下に至るまでのサルコペニア発症前の歩行特性について、詳細な歩行パラメータから検討したものはない。本研究は、歩行分析装置を用いサルコペニア発症前の歩行特性を明らかにし、サルコペニア発症を予測する歩行評価ツールを確立するとともに、歩行評価ツールに基づく歩行支援プログラムが、サルコペニアの予防・改善に及ぼす効果を検証する。
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研究実績の概要 |
歩行能力の指標となる歩行速度はケイデンスと歩幅で規定されるが、加齢による歩行速度の低下を引き起こす要因はケイデンスよりも歩幅の低下による影響が大きい。また、歩幅の低下は歩行速度の低下に先行して生じることも報告されており、高齢者の歩幅の評価は歩行能力の低下を早期に把握するための重要な指標となりうる。しかしながら、個人の歩幅は身長と関連することから明確な基準値が存在せず、計測した歩幅の優劣の判断には身長の影響を考慮する必要がある。先行研究では、高齢者の通常歩行時の歩幅は「身長-100cm」の簡易算出式に適合するとされる。本研究の目的は歩幅の簡易算出式の臨床的意義を検証することである。女性高齢者133名を対象に、簡易算出式から得られた歩幅を基準歩幅として、通常歩行時の実測歩幅が基準歩幅未満の歩幅低下群(19名)、基準歩幅+10cm未満の歩幅微増群(53名)、基準歩幅+10cm以上の歩幅増加群(61名)の3群に分類し、3群間の身体機能を比較した。その結果、下肢筋力(膝伸展筋力、30秒椅子立ち上がりテスト)は、歩幅増加群に比べ歩幅低下群・微増群で有意に低値であった。また、動的バランス(Timed Up & Go test)は、歩幅微増群と歩幅増加群に比べ歩幅低下群で有意に所要時間が長かった。これらの知見より、実測歩幅が「基準歩幅+10cm未満」であることは下肢筋力の低下を、「基準歩幅未満」であることは下肢筋力の低下に加えて動的バランスの低下を判別するスクリーニング指標となることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウィルスの感染拡大の影響により、縦断データの収集に遅れが生じたため。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度も2つの自治体でフィールド調査を実施することとなっている。 次年度は下記の研究実施を予定している。 サルコペニア発症を予測する歩行パラメータの検討 2017年度から2023年度の調査に参加した地域在住高齢者のうち、2年以上の追跡調査が可能であった対象者のサルコペニア・ダイナペニア発症の有無を調査し、サルコペニア・ダイナペニア発症を予測する時間的空間的な歩行パラメータ(歩行速度、ケーデンス、歩幅、歩隔、歩行角、足角、立脚時間、遊脚時間、両脚支持時間)を明らかにする。
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