研究課題/領域番号 |
20K10986
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58080:高齢者看護学および地域看護学関連
|
研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
河崎 智子 千葉大学, 子どものこころの発達教育研究センター, 特任研究員 (70866780)
|
研究分担者 |
清水 栄司 千葉大学, 大学院医学研究院, 教授 (00292699)
大島 郁葉 千葉大学, 子どものこころの発達教育研究センター, 教授 (40625472)
村田 倫一 千葉大学, 子どものこころの発達教育研究センター, 特任研究員 (90802588)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
|
キーワード | レジリエンス / 育児 / 認知行動療法 / 介入 / 保健指導 / 自閉スペクトラム / 幼児 / ストレス / 保健師 / 発達障害 / ASD / 幼児健診 / 保護者 / 自閉スペクトラム症 / 遠隔 |
研究開始時の研究の概要 |
近年の研究から、ASD児に対する支援は、診断や治療にとどまらず、子どもに対する親の育児ストレスを低減し、メンタルヘルスを向上させ、養育レジリエンスを増強するような家族を含めた包括的な支援が求められる。本研究は、行政の1歳6か月児健診後の保健師による親支援の位置づけとして、2歳から3歳未満のASD傾向の幼児をもち、その育てにくさから一定以上の育児ストレスを感じている親に対し、①親の育児ストレス、②メンタルヘルス(うつ、不安)、③養育レジリエンスに着目した認知行動療モデルを用いた保健指導プログラムを開発、テレビ会議システムを利用した遠隔によるプログラムを実施し、その有効性を明らかにする。
|
研究実績の概要 |
発達障害児への支援は、受給券を用いて利用できる児童発達支援事業所数が増加する一方で、その親の育児について相談できる場所が少なく、支援方法が確立しているとはいいがたい。発達障害の子どもの親は「育てにくさ」を感じやすく、高い育児ストレスを通じて抑うつが高まることが報告されており(Koegel et al, 1992)、親のメンタルヘルス不調が養育不全を引き起こし、児童虐待のリスク要因となることは広く知られている。厚生労働省母子指針「健やか親子21」では、育てにくさをもつ子の親支援を重点化課題に挙げており、虐待予防の観点からも発達障害に関わる親自身のストレスマネジメントと育児支援体制の構築は社会的な課題と言える。 2020年~2022年まで、自閉スペクトラム症傾向を持つ子の親の育児ストレスとレジリエンス向上を目的とした保健指導プログラム(CBT for Parents to Support Accepting Children's Uniqueness : CBT-PAC)の実現可能性を検証するための臨床試験を行った。親のストレスマネジメントに着目した認知行動療法をベースとしたプログラムを開発し、オンラインの個別指導によって週1回50分×6回、単群合計26名に行った。プログラム開始前(0週)と終了時(6週)の各尺度について、対応のあるT検定を用いて解析を行った。その結果、開始前と比べて、終了時は親の養育レジリエンス要素質問票(PREQ)、日本語版育児ストレスインデックス(PSI)、GHQ健康調査票28(GHQ-28)新版 状態ー特性不安検査 (STAI)、アイバーグ子どもの行動評価尺度(ECBL)下位尺度「問題」の各得点に有意な差が見られた。これらの結果から、養育レジリエンスの増強、育児ストレスの軽減および保護者のメンタルヘルスの向上が示唆された。行政の幼児健康診査後の保健師による親支援の位置づけとして、今後さらにプログラム内容を精査し、地域実装を目指して改良を加えたい。
|