研究課題/領域番号 |
20K10990
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58080:高齢者看護学および地域看護学関連
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研究機関 | 埼玉県立大学 |
研究代表者 |
林 裕栄 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 教授 (50214466)
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研究分担者 |
武田 美津代 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 准教授 (90279852)
水間 夏子 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 助教 (00740193)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | キャリアラダー / 研修 / 教育 / 管理者 / 訪問看護師 / 教育ステーション / 研修計画 / 全数調査 / クリニカルラダー / 研修プログラム / 育成 / 課題 |
研究開始時の研究の概要 |
日本では地域包括ケアを推進しており、訪問看護師への期待は大きい。しかし、訪問看護ステーションの慢性的な看護師不足や人材育成の課題は大きい。そのため看護師を採用しても即戦力として働かねばならない現状がある。そのため、採用された看護師は悩みながら勤務している。看護師が不安なく訪問看護分野への就労をし、就労を継続できる環境を整えることは、訪問看護人材を確保する上で最も重要である。 そこで、S県で開始される教育ステーションで訪問看護師のための研修プログラムを開発し実施するなかで、その効果や課題を明確にし、訪問看護ステーションの資質向上に資するための教育ステーションにおける研修プログラムの構築を図る。
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研究実績の概要 |
2022年度にかけて、A県訪問看護師向けのキャリアラダーの開発及びその試行を行った。現在複数の訪問看護ステーションでキャリアラダーを使用しての評価を行っている。また、キャリアラダーの普及のために管理者向け研修会でその内容を説明した。2023年度も説明会は実施する。 また、A県訪問看護ステーション協会加入の訪問看護師ステーションへの質問紙調査を実施した(2022年2月~4月)。結果は、訪問看護師は訪問看護の経験が浅い者が多いことから計画的な学習支援が必要であることや、研修は、ターミナルケアや皮膚疾患に関する研修ニーズが高いことが明らかとなった。研修では、訪問看護に特化した内容を準備するとともに、既に得意としている訪問看護師には最新の情報を提供することが期待されると考える。回答率が約2割であり、A県内の訪問看護師の実態として一般化するには留意が必要であるが、研修のニーズは把握できた。管理者への調査では、看護職員には勤務年数や役割を考慮した計画的な教育が必要であることや、各施設では多様な人材育成ツールを活用しているが、研修時間の確保や指導体制などにより施設毎の教育には限界があることが明らかになった。新規性のない教育が続けば学習意欲も低下するため、多角的な内容を含むことが望ましいことや、訪問看護の質の確保のためには、地域の多職種・多機関による現任教育のための環境づくりや研修の体系化が必要である。 2023年度はこれらの調査結果をうけて研修会を3回企画中である。その内容は、訪問看護師の判断力に必要な臨床推論の理解や、訪問看護師自身の思考や判断の振り返りができるような事例検討も含めたものを検討している。加えて教育ステーションの効果や課題に関する調査を実施するとともに、教育ステーションで担うべき研修やその他の研修も含め、キャリアラダーに基づいた研修内容の精査と研修体系の構築を目指す。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究協力者としてA県訪問看護ステーション協会会長・副会長・理事ら5名の協力を得て、A県の訪問看護師向けのキャリアラダーを作成したことやまたその普及のために研修会を実施していることである。 次にA県における訪問看護ステーション内の現任教育の現状と課題を明らかにするために、A県訪問看護ステーション協会加入の訪問看護ステーションの全数調査を管理者およびスタッフ(訪問看護師)の両者に対して実施した。 その結果をもとに今年度は研修を企画実施する。さらに、教育ステーションの効果や課題に関する質問紙調査の実施を検討している。 最終的に、教育ステーションの役割や教育内容を検討し、キャリアラダーに紐づけた研修体系の構築を目指しているため順調に進んでいると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度は、すでに実施している新卒者・既卒者で訪問看護ステーションに入職した職員向けの研修を実施するとともに、新たに2022年度に実施した調査結果をうけて研修会を3回企画中である。その内容は、訪問看護師に判断力に必要な臨床推論の理解や、訪問看護師自身の思考や判断の振り返りができるような事例検討も含めたものを検討している。 加えて教育ステーションの効果や課題に関する調査を実施するとともに、教育ステーションで担うべき研修やその他の研修も含め、キャリアラダーに基づいた研修内容の精査と研修体系の構築を目指す。
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