研究課題/領域番号 |
20K11020
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58080:高齢者看護学および地域看護学関連
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研究機関 | 福岡看護大学 (2021-2023) 九州大学 (2020) |
研究代表者 |
吉田 大悟 福岡看護大学, 看護学部, 教授 (10596828)
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研究分担者 |
木村 安美 広島修道大学, 健康科学部, 教授 (00552415)
二宮 利治 九州大学, 医学研究院, 教授 (30571765)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | ADL障害予測モデル / 地域高齢者 / リスクスコア / 生活機能障害予防 / リスクスコアモデル / 高齢者保健 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、2012年度に福岡県久山町の高齢者調査を受診した65歳以上の住民のうち、本研究の同意が得られた約1500人を対象に生活機能障害の有病率とその危険因子について横断的に検討する。次に、2012年に生活機能障害を有さない高齢住民約1000人を2022年(10年後)まで追跡し、生活機能障害の発生の危険因子・防御因子の検討と将来の生活機能障害発生を予測するリスクスコアモデルを算出する。本研究課題の成果は介護予防や健康寿命の延伸を達成するためのエビデンスとして活用され、疾病の発症予防や介護予防、そして医療・保健・福祉にかかる社会保障費の削減など健全な超高齢社会の実現に貢献しうるものと考える。
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研究実績の概要 |
2023年度は、2022年度までに検討した地域高齢者における将来のADL障害を予測するモデルの論文化を行った。研究対象者は2005年に久山町の高齢者調査を受診した65歳から89歳の男女1471人のうち、ADL調査未実施またはデータ欠損者5人、ADL障害を有する254人、血液検査や身体計測などの健診データに欠損がある112人、追跡期間中に死亡した158人、2012年に実施されたADLの追跡調査未実施の34人を除外した908人である。追跡期間は2012年までの7年間であり、全ADL障害の発生を予測するモデルをロジスティック回帰分析で検討した。主要アウトカムであるADLはBarthel Indexを用いて評価し、95点以下をADL障害ありと定義した。危険因子の候補として、年齢、性別、BMI、血清アルブミン、糖尿病、高血圧、尿たんぱく、心血管病の既往、MMSEスコア、GDSスコア、喫煙習慣、運動習慣、日常生活の作業強度、教育歴、就労状況、婚姻状況、居住形態をモデルに投入した。最適なモデルに使用される変数の選択はbackward法によって決定し、選択基準のp値は0.20未満とした。結果として、ADL障害を予測するモデルに選択された変数は、年齢、性別、血清アルブミン、糖尿病、MMSEスコア、GDSスコア、喫煙習慣、運動習慣、教育歴、仕事の有無であった。このモデルのC統計量は0.82であり予測能として良好であった。最終的に得られたモデルから、臨床や地域の現場で活用しやすいようにリスクスコアを作成した。 2024年度は、本研究で得られた知見を活用した保健指導を健診で実施し、その効果について検討する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
2023年度は、2022年度までに検討した地域高齢者のADL障害を予測するモデルの論文化を行うとともに、そのエビデンスを活用した保健指導を実施予定であった。論文化は進捗しているもののまだ雑誌投稿に至っていない。また健診での保健指導はコロナ禍の影響もあり未実施であった。2024年度は、本研究で得られた知見を活用した保健指導を健診で実施し、そ の効果について検討する予定である。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度は、2023年度に引き続き検討したモデルについて学会発表を行うとともに論文投稿を進める。さらに、本研究で得られた知見を住民健診後の保健指導で使用しその効果について検証する予定である。 懸念点として、対面での保健指導が十分に実施できない可能性がある。その場合には、zoomや電話・郵便を活用して研究を遂行する予定である。
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