研究課題/領域番号 |
20K11033
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58080:高齢者看護学および地域看護学関連
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研究機関 | 東京慈恵会医科大学 |
研究代表者 |
中島 淑恵 東京慈恵会医科大学, 医学部, 准教授 (90459131)
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研究分担者 |
美馬 達哉 立命館大学, 先端総合学術研究科, 教授 (20324618)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 音楽併用リハビリテーション / 脳卒中の生活期リハビリテーション / 地域包括支援プログラム / 生活機能障害を抱える高齢者 / QOL / 音楽併用リハビリ / 生活期リハビリ |
研究開始時の研究の概要 |
高齢者は脳卒中や筋骨格系疾患などの有症率の高い併存疾患に罹患することで,感覚運動連関障害をきたし,不使用学習を引き起こすことがある.そのため,日常生活動作上の困難や不自由は運動負荷として知覚され,活動への参加が阻害される.この状態にある高齢者の疾病・障害や暮らしに合わせて,積極的に自律的に取り組める訓練を提案できれば,生活機能の維持・向上が図れ,健康寿命の延伸に繋がると推測する.そこで,身体・心理・社会的側面の個別アセスメントにより運動機能促通を客観的に測定して、プログラムを計画・実施・評価しながらその有用性を高め,看護師主導の音楽併用の生活期リハのセルフマネジメントプログラムを確立する.
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研究実績の概要 |
本研究では,地域で暮らす個々人-健康高齢者,フレイル状態の虚弱高齢者,疾病をもつ要支援・介護の高齢者―が最大限の生活機能が発揮できる「特別ではないが個々のニーズ合致した生活の中で楽しみながら成果を実感できる」看護師主導の音楽プログラムを基盤とした生活期リハビリテーション(リハ)のセルフマネジメント支援を構築する.高齢者は脳卒中や筋骨格系疾患などの有症率の高い併存疾患に罹患することで,感覚運動連関障害をきたし,不使用学習を引き起こすことがある.身体・心理・社会的側面の個別アセスメントにより運動機能促通を客観的に測定して、プログラムを計画・実施・評価しながら,音楽の利用によって,厳しいトレーニングというイメージのある狭義の医学的リハよりも馴染みやすいプログラムを開発し,ユニバーサルに健康・虚弱高齢者等に応用を可能とする.高齢者の生活機能に応じて個別に処方された音楽を,生活機能訓練に併用し,継続的実施に基づく機能回復と精神性効果について明らかにする.そして,音楽を併用した生活期リハ-セルフマネジメントプログラムを構築し,生活機能の維持・向上をアウトカムとして,シームレスで継続的な医療-地域支援体系を構築する. COVID-19の流行により,対面での実験が行えなかったことにより,2020-2021年度計画を2022年度に計画してた.しかしながら流行期に合わせて実験環境や被験者の確保に制限があり,感覚運動連関障害を有さない健康若年者と健康高齢者を対象にした実験が実施できていない.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
2021年度に引き続き,2022年度では,感覚運動連関障害を有さない健康若年者と健康高齢者を対象に実験し,身体的に日常生活動作の負荷量が異なるかを明らかする.①巧緻テスト②姿勢保持・平衡感覚機能③歌唱,ピアノ演奏,音楽聴取を実施中の脳波(Electroencephalogram; EEG)による神経活動を計測し,精神的な影響(うつ尺度),筋力運動における自覚的疲労感,主観的運動強度,上半身姿勢動揺による加速度変化と筋電図(Electromyography; EMG)で評価する予定だった.被験者を対象にした対面での介入研究が感染防止の観点から制約があったため,2022年度も同様に計画が遂行できていない. 脳卒中により軽度片麻痺を症候とした運動感覚機能や認知機能に障害がある高齢者を対象に,加齢性変化や感覚運動連関障害を有し日常生活動作や訓練をする際に知覚している,身体・精神的な困難感・負担感・疲労感を明らかにし,音楽併用リハビリの効果をまず検証したうえで,プログラムの開発を進める必要がある. 2023年度は,COVID-19の様々な制約が緩和する.依然厳しい環境にある高齢者施設などを避け,回復期リハビリ病院などで生活期リハビリに励む高齢者および疾病や障害を有する高齢の研究協力者を対象とした介入研究を計画し,本計画を始動する必要がある.
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今後の研究の推進方策 |
回復期リハビリテーション病院に入院中で,脳卒中により軽度片麻痺を症候とした運動感覚機能や認知機能に障害がある若年および高齢者を対象に,通常の訓練に音楽を併用し,介入前後の評価項目データを統計学的にそれぞれの群内で比較する.介入前・後の評価指標として運動機能評価は,Modified Rankin Scale (mRS),Fugl-Meyre Assessment (FMA) ,脳波計測 (Movement-Related Cortical Potential; MRCP) ,健康関連QOLはSF36 (Mos 36-Item Short-Form Health Survey) 36項目,自己効力感評価はGSES (General Self-Efficacy Scale) 16項目,簡易気分調査票は,BMC-J (Japanese version of the Brief, Momentary Mood Checklists) を用いて評価する. リハビリに併用する音楽課題は,研究者が準備した音楽リソースから対象に選んでもらうが,音楽課題の印象評価 にはSD法 (semantic differential scale method)を用いて,対象の主観的印象評価をする. 上肢機能訓練を含むリハビリテーションは治療の処方に準じたメニューで行い,その間の自覚的運動強度としてBorg Scaleを用い,主観的疲労感としてChalder Fatigue Scale14項目用いて,2地点(上肢訓練と終了時点)評価をする. 現在,研究フィールドとしてリハビリテーション科医師と連携し,対象選定可能かを調査中である.
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