研究課題/領域番号 |
20K11074
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58080:高齢者看護学および地域看護学関連
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研究機関 | 川崎市立看護大学 (2022-2023) 東京都立大学 (2020-2021) |
研究代表者 |
廣川 聖子 川崎市立看護大学, 看護学部, 教授 (70331486)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 自殺予防 / 高齢者 / 訪問支援 / ナラティブ / 自殺の対人関係理論 |
研究開始時の研究の概要 |
高齢者は他の年代に比べ退職・失業,社会的な役割の縮小,身体疾患,配偶者や知人の 死といった様々な喪失体験を経験する機会が多く,孤独感・社会的な孤立・絶望感など深刻なストレスを抱えやすい。高齢者の自殺の背景には,自殺の対人関係理論で説明される,負担感の知覚・所属感の減弱といった主観的体験が大きく影響していると考えられる。 本研究では,高齢者が経験している負担感の知覚・所属感の減弱がどのようなものである のか,どのような時にそれらが強まるのか,高齢者特有の経験について明らかにし,それら をふまえた効果的な支援プログラムを開発することを目的とする。
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研究実績の概要 |
自殺の背景には何らかの対人関係の文脈における困難があり,そのことが複数ある自殺の危険要因と相互作用し,自殺リスクを高める可能性がある。 高齢者の自殺には,Joinerらが提唱している自殺の対人関係理論で説明される,「負担感の知覚(自分が周囲に迷惑をかけており,生きているより死んだ方が価値があるという自己認知)」「所属感の減弱(居場所のなさ,価値のある他者から疎外されているという主観的体験)」といった主観的体験が影響していると考えられ,本研究では,高齢者に特有の負担感の知覚・所属感の減弱がどのようなものであるのか,どのような時にそれらが強まるのか等,当事者の語りを通して高齢者の内的世界を理解し,その体験のありようを明らかにすることを目的としている。 2023年度は2022年度に続き研究参加候補者のリクルートを行い,インタビューを行った(1名につき3回)。現在そのデータを分析中である。現時点では,対人交流が少なくネガティブな体験を語る高齢者は,身体機能の低下を強く意識しており,外出頻度もかなり少なく,語られる内容も過去の話題が主であった。一方で,対人交流が多く他者との関係についてポジティブに語る高齢者は,能動的に自身で自分の価値・居場所を作る行動を取っており,語られる内容は現在の話題が多かった。次年度は引き続きインタビューを行い,高齢者の体験について明らかにしていく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
COVID-19の影響で2020年以降全体的にスケジュールが後ろ倒しになっており,また2022年度は研究者の所属変更により新たなフィールド開拓,研究協力を得るための調整が必要であった。加えて,研究倫理審査において想定以上に審査に時間を要し,インタビューへの着手が遅れる結果となった。2023年度内にインタビューを終え,分析を進めプログラムの検討に入る計画であったが,対象者のリクルートが進まず,必要な対象数のインタビューが実施できなかった。
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今後の研究の推進方策 |
2020年度以降,全体的に研究計画が後ろ倒しになっており,当初の計画の内容で実施することは困難である。2024年度は計画遂行のタイムスケジュールならびにインタビュー対象数を修正し,引き続きインタビューを実施すると共に,データの分析を進め,自殺予防プログラムの枠組みについて検討することを目指す。また,インタビュー結果について公表に向けた作業を進める。
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