研究課題/領域番号 |
20K11091
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58080:高齢者看護学および地域看護学関連
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研究機関 | 天理医療大学 (2022) 畿央大学 (2020-2021) |
研究代表者 |
乾 富士男 天理医療大学, 医療学部, 教授 (80469551)
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研究分担者 |
松本 大輔 畿央大学, 健康科学部, 准教授 (20511554)
冨澤 理恵 大阪大学, 大学院医学系研究科, 招へい教員 (20584551)
本多 智佳 滋賀医科大学, 医学部, 客員准教授 (40625498)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 行動遺伝学 / 睡眠時間 / 双生児研究法 / 遺伝環境交互作用 / 双生児研究 |
研究開始時の研究の概要 |
日本人の睡眠時間が近年特に減少している。例えば,睡眠の質が最も高いフィンランドに比べて1時間短い。また,1970年~80年ころの日本人の平均に比べても1時間短い。つまり,近年に急激に日本人だけが減少している。また,睡眠時間の減少と様々な健康問題(糖尿病,心疾患など)に関する指摘がある。 そこで双生児研究法を用いて,睡眠時間の減少が環境要因によってもたらされる悪影響なのか,それとも遺伝的な背景によるものなのか,あるいは遺伝・環境交互作用による遺伝的影響なのかを解明する。 このことにより,日本人の睡眠時間の減少のメカニズムを解明し,保健施策,保健指導に役立てられると考えている。
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研究実績の概要 |
本年度は本来の最終年度にあたる。2020年度のデータの収集,2021年度のデータ解析は予定通りに完了している。2021年度末に3件の学会報告を行ったように,睡眠時間の遺伝率の推計ならびにアルコール摂取など一部の環境要因の影響の解析を終えている。また,当初計画には無かったPRSを用いた解析などを2021年度に行った。本年度の予定は,2020年度に実施した質問紙調査のデータと2008年から2019年までのデータを合算して解析し,環境要因と国際比較を行うことであった。しかし,covid-19の影響により大きく環境が変化したが,当初の計画段階ではそのことは考慮していなかったため,収集したデータには反映していない。従ってcovid-19の影響があるのか無いのかは不明だが,データのバラツキが大きく本年度の予定であった環境要因を特定する部分の解析が難航している。この点については,研究期間を1年間延長して次年度に解析方法を検討する予定である。 また,国際比較に関しても,covid-19の影響で海外の研究者との打ち合わせ(昨年度の予定であったが,今年度もまだ実現していない)が実現していないため,計画が遅れている。国際比較についても研究期間を1年間延長して次年度に解析方法を検討する予定である。当初検討していたようにデータを統合しての解析は3年間直接出向いて打ち合わせることができていない状況では難しいため,独立に解析した結果を基に国際比較をする方法などを検討する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2020年度のデータの収集,2021年度のデータ解析は予定通りに終了している。しかし,2020年からのcovid-19の影響を考慮した研究計画では無かった(申請時はcovid-19以前であることおよびすでに調査の項目が決定していてcovid-19の影響を考慮する内容となっていなかった)ため,環境要因の解析に困難がある。しかし,2021年度末に3件の学会報告を行ったように,睡眠時間の遺伝率の推計ならびに一部の環境要因の影響の解析を終えている。以前の調査では睡眠時間の遺伝率が環境要因のバラツキが大きく検出できなかったが,今回データ量を増やし統計学的な検出力を増すことで,他国で行われた先行研究と同様の遺伝率が再現できた。このことにより,国際比較が可能なデータが得られたことになる。しかし,国際比較のためには現地に赴き,細かな打ち合わせならびに試行錯誤が必要であるが,covid-19の影響で3年間渡航できていない。
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今後の研究の推進方策 |
環境要因の解析に関しては,新たなデータを収集する余裕は計画上も時間的にもないため,既存のデータの中で解析方法の検討および変量の再検討を行う。 国際比較に関しては,徐々に海外渡航が可能になっているが,まだまだ従来のようには戻っていない。そのため,国際比較のためにフィンランドやハンガリーの共同研究者の所に長期間赴く事は来年度も難しそうである。そこで,解析方法を再検討し,独立に解析した結果を基に国際比較をする方法などを検討する。
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