研究課題/領域番号 |
20K11094
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58080:高齢者看護学および地域看護学関連
|
研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
永田 美奈加 秋田大学, 医学系研究科, 講師 (10461716)
|
研究分担者 |
鈴木 圭子 秋田大学, 医学系研究科, 教授 (10341736)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
|
キーワード | 口腔機能 / 栄養状態 / 要支援・軽度要介護高齢者 |
研究開始時の研究の概要 |
高齢者は加齢変化や疾患への罹患により口腔機能低下をきたしやすく、誤嚥性肺炎や低栄養状態を起こしやすい。介護認定の割合が増加している要支援・軽度要介護高齢者においても嚥下障害を抱えながら生活する者が存在し、介護予防や介護の進行予防のためにも口腔健康管理が不可欠である。口腔機能には身体的要因の他、メンタルヘルスが影響していると考えられるが、要支援・軽度要介護高齢者の口腔機能・栄養状態とメンタルヘルスを含む要因との関連は十分わかっていない。 本研究では、要支援・軽度要介護高齢者の口腔機能・栄養状態とメンタルヘルスとの関連を明らかにし、口腔機能の維持・向上のための支援への示唆を得ることを目的とする。
|
研究実績の概要 |
本研究の目的は、要支援・軽度要介護高齢者の口腔機能・栄養状態とメンタルヘルスとの関連を明らかにし、口腔機能の維持・向上のための支援への示唆を得ることである。 対象はA県ケアハウス3カ所・有料老人ホーム1カ所の入居者及び地域在住高齢者計106名であった。調査項目は栄養状態は簡易栄養状態評価表(MNA-SF)、口腔機能は舌圧、反復唾液嚥下テスト(RSST)、オーラルディアドコキネシス(ODK)、うつ傾向は老年期うつ病評価尺度(GDS15)、食生活に関するQOLは食事関連QOL尺度短縮版とし、その他機能的自立度評価(FIM)、介護度、認知機能を含む基本情報であった。 R4年度は前年度までの調査結果より、1)介護度別の口腔機能・栄養状態の特性、2)口腔機能やうつ傾向が栄養状態に与える影響について分析した。1)軽度要介護者は要支援および介護申請中の者に比べRSST3回/30秒未満、ODKパ・タ・カ各6回/秒未満、舌圧30kPa未満の割合が高く、口腔への関心無し、かかりつけ歯科無し、1年以内の歯科未受診割合が高かった(いずれもp<0.05)。2)栄養状態と口腔機能・うつ傾向を含む他項目との相関分析において、MNAとRSST、ODK、舌圧、FIM、食事関連QOLに正の相関、GDS、年齢、性別、介護認定状況に負の相関がみられた。MNAを従属変数とした階層的重回帰分析の結果、MNAに関連のあった要因は舌圧、GDS、FIM、食事関連QOL、性別であった。 高齢者は口腔機能低下や調理・買い物の問題で多様な食品摂取が困難となったり、食感を楽しめないなど食事のQOLが低下する可能性が考えられる。口腔機能、食事摂取状況、うつ傾向等心理的状況の把握により低栄養リスクの発見につなげると共に、食事満足度評価により食生活のQOLを高められるよう働きかけることで、効果的な栄養ケアに活かすことができると考える。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
新型コロナウイルス感染拡大の影響によりR2~R3の間に数回にわたり調査を中断せざるを得ない時期があった。調査は再開でき、結果の分析・報告に遅れが生じてはいるが、学会で発表することができた。
|
今後の研究の推進方策 |
これまでの調査結果についてまとめ、論文投稿を行う。
|