研究課題/領域番号 |
20K11111
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58080:高齢者看護学および地域看護学関連
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研究機関 | 杏林大学 |
研究代表者 |
大木 幸子 杏林大学, 保健学部, 教授 (50453519)
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研究分担者 |
藤井 広美 杏林大学, 保健学部, 准教授 (10336844)
高城 智圭 同志社女子大学, 看護学部, 教授 (20458962)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 児童虐待予防 / 信頼関係の構築 / 保健師 / 支援技術 / ケアの倫理 / 児童虐待 / 虐待リスク要因 / 配偶者間暴力 / メンタルヘルス / ケースメソッド / 教育プログラム / 人材育成 |
研究開始時の研究の概要 |
母子保健分野の保健師には児童虐待予防が期待されているが、多くの保健師が児童虐待リスクのある家族への支援に困難感を抱えていると報告されている。海外では虐待予防にかかわる支援について、倫理的アプローチの重要性が指摘されている。しかし本邦では、困難感とその対処を含めた支援技術について、倫理的視点からは十分に検討されていない。そこで本研究は、母子保健分野の保健師が、虐待リスクのある家族への支援で引き起こされる困難感を解消し、親との関係を構築しながら支援を展開するための支援技術について、ケアの倫理を理論的枠組みとして明らかにし、それらの技術獲得のための教育プログラムの開発を目的とする。
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研究実績の概要 |
研究内容:児童虐待リスクのある家族への支援において信頼関係を構築しながら支援を展開するための支援技術を獲得するための教育プログラム開発のための基礎研究として、信頼関係構築のための支援技術の抽出のために、子育てに関する保健師との継続的相談関係を有する親のインタビューを実施した。これは、保健師との継続的相談支援関係構築にあたって、相談者である親の視点から、保健師の関わりを照射し、相談者が求める関わりの技術を抽出することを目的とした。 方法:自治体の実施している児童虐待予防事業であるMCG(mother and child group)への参加者および子育ての困難感や育てづらさに関して保健師と継続的な相談経験をもつ親へのインタビュー調査を継続して実施した。前年度とあわせて、合計20名のインタビューデータを収集し、現在、質的に分析を進行中である。またこれまでの分析を踏まえて、さらに児童虐待により児童福祉機関の介入を受けた経験のある対象者のデータを追加する予定である。 結果:現在までのインタビューデータの分析結果では、保健師への援助希求の障壁要因として、6カテゴリー、21サブカテゴリーが、保健師との信頼関係構築の要因として、12カテゴリー、29サブカテゴリーが抽出された。 子育ては誰もがやっており、誰もができるはずという認識から援助希求が低いことが、相談行動の大きな障壁となっていた。そのうえで、常に自分を気にかけてくれる「まなざし」が、信頼関係の構築に大きく寄与していることが示された。そのような「まなざし」は、自分のありのままを受け止めてくれ、肯定してくれるものである。支援者のそうした関わりは、子どもの母(あるいは父)としての対象規定ではなく、支援の求めの有無にかかわらず、母(あるいは父)そのものを対象者として位置づけた「ケアの倫理」に基づく支援姿勢が求められていることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
初年度である2019年度、2年目である2020年度は、covid-19の流行の影響を受けて教育へのエフォートが大きくなり、研究にさけるエフォードが大きく制約を受けたこと、対面のインタビュー調査が感染リスクから制限されたことから遅れが生じた。さらに2023年度は、研究者の環境の変化から、全体の進行が遅れが生じたままである。
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今後の研究の推進方策 |
データの収集と分析を継続するとともに、研修プログラムを検討予定である。
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