研究課題/領域番号 |
20K11122
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58080:高齢者看護学および地域看護学関連
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研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
伊藤 友孝 静岡大学, 工学部, 准教授 (00283341)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 高齢者 / 歩行 / 転倒予防 / トレーニング / 見守り |
研究開始時の研究の概要 |
超高齢社会の到来により,寝たきりに繋がる高齢者の転倒が大きな問題となっている.本研究課題は,研究室でこれまで開発してきた転倒要因分析のための歩行診断システムやバランス支援機能を備えたロボット杖などの福祉機器の開発の成果をふまえて,歩行診断システムと連動して普段の歩行を見守りながら,対象者毎に的確なケアや転倒予防トレーニングを行うことができる「高齢者のための見守りと転倒予防トレーニングを統合した包括的歩行ケアシステム」を開発し,高齢者の転倒を予防しながら自発的な歩行を促す包括的な仕組みを構築する.
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研究実績の概要 |
本研究課題は,歩行診断システムと連動して普段の歩行を見守りながら,対象者毎に的確なケアや転倒予防トレーニングを行える「高齢者のための見守りと転倒予防トレーニングを統合した包括的歩行ケアシステム」を開発し,高齢者の転倒を予防しながら自発的な歩行を促す包括的な仕組みを構築することを目的としている. 令和5年度は,第2フェーズの続きとして,高齢者の歩行調査ならびに転倒予防トレーニング装置の機能改良を実施した.さらに,歩行分析や転倒調査の結果から得られた知見を基に,直接的な歩行の改善を目的とした装着型の歩行支援デバイス(転倒予防トレーニング装置)のプロトタイプの開発を行った. 令和5年度は,感染対策を取った上で高齢者の計測やトレーニング実験を行うことができた.本来であれば2か所の福祉施設での大人数の計測を予定していたが,コロナ禍の影響がまだ残っており,その内の1施設は外部からの入館を制限したままになっているため,1施設での実施となった.しかしながら,トレーニング中のバランス計測や直近一年間の転倒歴との比較から,自分自身の歩き方や転倒危険性に対する気付きが,転倒および転倒の予防に大きく関わってくることが確認された.また,転倒経験者に共通する歩行特徴を捉えることができ,そのことを踏まえた新しいトレーニング機器(装着型)の開発につながった. 新しいトレーニング機器の効果測定や包括的ケアシステムとしての検討を行うために1年間の延長を行い,今年度に評価と取りまとめを実施する予定である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究自体は,研究計画に沿って順調に進展している.高齢者の歩行状態の計測と分析の結果から,歩行改善のポイントが明確化されたため,装着型の新しいトレーニング機器のプロトタイプも開発することができた点も大きく研究が進んだポイントである. しかし,本来であれば2か所の福祉施設での大人数の計測を予定していたが,コロナ禍の影響がまだ残っており,その内の1施設は外部からの入館を制限したままになっているため,1施設での計測しか行えなかった.そのため,全体の進捗を鑑みて「おおむね順調に進展している」と判断した. 有効なデータを取得して分析や評価を行うため,1年間延長して今年度に最終評価や取りまとめを行う予定である.
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今後の研究の推進方策 |
令和6年度上期は,前年度に新しく開発した装着型のトレーニング装置の改良を実施し,包括的ケアシステムの核の一つとして取り込む予定である.また,これまでに得られた高齢者の様々なデータを包括的に分析し,転倒予防に向けた知見としての取りまとめを実施する. 下期には,高齢者施設での実証実験を実施し,包括的見守りシステムとしての機能や効果の確認と評価を行う.今年度も,1施設では実地試験を行える予定で調整を進めており,感染予防対策を徹底した上で安全に高齢者での実証実験を実施する予定である.
なお,新しく開発した装着型トレーニング装置に関しては,特許申請を行うことを検討しており,申請後に学会発表を行う予定である.
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