研究課題/領域番号 |
20K11125
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58080:高齢者看護学および地域看護学関連
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研究機関 | 佐賀大学 |
研究代表者 |
室屋 和子 佐賀大学, 医学部, 准教授 (50299640)
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研究分担者 |
田渕 康子 佐賀大学, 医学部, 教授 (90382431)
熊谷 有記 佐賀大学, 医学部, 准教授 (10382433)
田島 司 北九州市立大学, 文学部, 教授 (40364145)
鈴鹿 綾子 日本赤十字九州国際看護大学, 看護学部, 助教 (20880313)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 死別 / 対処 / 男性高齢者 / 精神的健康 / 支援モデル / 適応 / 高齢者 |
研究開始時の研究の概要 |
老年期には身体機能の衰退や社会的役割の変化などの喪失を体験するが、大事な人を失う経験、中でも配偶者の死は、最もストレスフルなライフイベントとされる。一方で、高齢者は過去の人生経験から培った強みを有している。本研究は、配偶者と死別した男性高齢者への支援の検討を目的としており、死別当事者と協働で支援モデルを作成する。死別から心理的に回復し社会生活に適応するための当事者目線の支援モデルの開発は、生前の配偶者との関係を中心とした社会生活のネットワークから、あらたなネットワークを構築し、介護・看取り終えた男性高齢者自身のライフステージを身体的にも精神的にも健康に生きることに寄与すると考える。
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研究実績の概要 |
老年期は様々な喪失を体験するが,配偶者との死別は最もストレスフルであると言われる.死別後に正常な悲嘆のプロセスを辿ることが出来ない場合,うつなどの精神疾患を発症する場合もある.特に男性はこれまでの生活体験から,妻のいない生活の再建が困難になると考えられるため,死別後に健康を保ちながら生活するための支援は重要である. そこで,本研究は男性高齢者が老年期以降に配偶者と死別した際の対処行動と精神的健康との関連を明らかにし,有効な支援モデルを開発することを目的として調査を行っている. 令和4年度の調査に加え,令和5年度は対象者を拡大して調査を行った.地域在住で老年期に配偶者と死別した高齢者に対して,比較のために女性も対象として調査依頼した結果,332名の回答を得た.研究者らの先行研究から(17K12403),死別後の対処行動として,趣味などの活動や地域・家庭での役割が有効であると示唆されたため,それらの質問項目と死別対処尺度の得点を独立変数,精神的健康(WHO-5,PGCM)を従属変数として重回帰分析を行った.その結果,死別後の精神的健康に影響を及ぼしていた要因は,①死別期間が長いこと,②趣味を持つこと,③他者の助けなくひとりで外出できること,④死別直後はいったん死別から気を逸らすこと,であった.男女の違いとして,男性は女性に比べて死別後の精神的健康が低いことが明らかとなった.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
前年度のアンケート調査後にインタビュー調査を行う予定にしていたが,分析可能な対象者数が確保できず結果が明確にできなかったため,追加でアンケート調査を実施した.現在は,追加のアンケート調査の研究対象者からインタビューの承諾を得ている段階であり,インタビューに至っていない.
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今後の研究の推進方策 |
さらに詳細に男性高齢者の死別後の対処行動を明らかにするために追加アンケート調査の対象へインタビューを行い,結果を質的に分析する.それらの結果を踏まえて,有識者との会議を行い支援モデルを作成する.
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