研究課題/領域番号 |
20K11156
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59010:リハビリテーション科学関連
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研究機関 | 大分大学 |
研究代表者 |
紀 瑞成 大分大学, 福祉健康科学部, 准教授 (60305034)
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研究分担者 |
河上 敬介 大分大学, 福祉健康科学部, 教授 (60195047)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 筋損傷 / リンパ管新生 / 内皮細胞増殖因子(VEGF-C/-D) / 免疫組織化学 / 分子生物学 / 伸張刺激 |
研究開始時の研究の概要 |
我々は、筋損傷24時間以内に行う軽い伸張刺激が筋損傷からの回復を促進させることを明らかにした。しかし、最良の理学療法手段の開発にまではいまだ至っていない。一方、リンパ管系は、癌組織や創傷治癒の組織などで既にわかっており、骨格筋の損傷・再生過程においても重要な役割を担っていると考えられる。しかし骨格筋内のリンパ管系分布や役割についてはいまだ未開のままである。そこでまず、損傷筋再生時のリンパ管系の形態応答や役割、及びそのメカニズムを明らかにする。そして、伸張刺激時に起こるリンパ管系の形態応答・役割及びそのメカニズム応答を明らかにする。そして、最良の理学療法手段の開発に発展させる。
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研究成果の概要 |
本研究では、雄マウスを用いて足関節背屈筋群の伸張性収縮により筋損傷モデルを作製した。筋損傷の治癒過程における筋内リンパ管系の分布や組織学的及び分子生物学的変化とその役割を検討した。損傷4日後では、筋内毛細リンパ管の数・密度・面積が増加し、内皮細胞増殖因子VEGF-C/-Dとそれらの受容体VEGFR-3などのmRNA発現レベルが上昇した。マクロファージ関連因子TNF-α、IL-1β、Fizzl、Ym1などの増加を認めた。損傷7日後では、筋線維の再生に伴い、筋機能回復の傾向が見られた。これらの結果は、筋内リンパ管新生などの応答が筋損傷回復促進に重要な役割を果たしていることを示唆した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
リンパ管系は、筋損傷後に集積される炎症性細胞などにより分解された筋線維のタンパク質や過剰な筋間質液の還流のために、可塑的な変化を引き起こすと考える。本研究では、筋損傷組織における筋内毛細リンパ管分布の変化、内皮細胞増殖因子VEGF-C/-Dや炎症性サイトカインなどを解析した結果から、筋内リンパ管系の応答が筋損傷の回復過程に密接な関係性を持っており、筋組織内の恒常性を維持する重要な機構であることを明らかにした。従って、筋内リンパ管内皮細胞の機能制御メカニズムを解明することにより、炎症性筋疾患に有効な治療薬の開発に繋がる可能性が期待される。
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