研究課題/領域番号 |
20K11162
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59010:リハビリテーション科学関連
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研究機関 | 大阪公立大学 (2022) 大阪府立大学 (2020-2021) |
研究代表者 |
岩田 晃 大阪公立大学, 大学院リハビリテーション学研究科, 教授 (90382241)
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研究分担者 |
淵岡 聡 大阪公立大学, 総合リハビリテーション学研究科, 教授 (30290381)
米津 亮 神奈川県立保健福祉大学, 保健福祉学部, 教授 (50363859)
樋口 由美 大阪公立大学, 総合リハビリテーション学研究科, 教授 (60312188)
片岡 正教 大阪公立大学, 総合リハビリテーション学研究科, 講師 (60611910)
杉山 恭二 大阪公立大学, 総合リハビリテーション学研究科, 助教 (70774610)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
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キーワード | 歩行速度 / 高齢者 / 立位姿勢 |
研究開始時の研究の概要 |
地域在住高齢者を対象として,歩行速度の規定要因を分析する横断研究と,運動プログラムの開発による介入研究に取り組む。横断研究では,下肢・体幹等の運動機能,立位姿勢などを計測,評価し,歩行機能との関連を検証した上で,どの機能が重要な役割を果たしているかを明らかにする。介入研究では,横断研究の結果に基づき,介入プログラムを開発する。
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研究実績の概要 |
高齢者の自立生活に必要とされる歩行機能の維持・向上のためには,高齢者それぞれの個別性に対応した評価・介入が必要とされる。本研究の目的は,高齢者を対象とした立位姿勢のタイプ分類を行い,タイプごとの歩行機能の規定要因の分析,および介入方法の検討を行うことによって,高齢者の個別性に対応することである。 2022年度は,新型コロナウィルス感染症の感染拡大の中,感染対策を十分に講じた上で,地域高齢者200名以上を対象とした立位姿勢の分析や身体機能の大規模計測を実施した。具体的な測定項目は,歩行機能(歩行速度・動作分析),および,下肢機能(筋力・速度等),立位姿勢とした。そこで得られた結果から,①高齢者の立位姿勢によって歩行機能に重要な身体部位や機能が異なるのか,②我々が確立した4つの立位姿勢タイプ別に必要な身体機能が異なるのか,の2点を検証した。 ①では,我々が姿勢分類の基準としている骨盤前傾・後傾,および下腿直立・前傾で重回帰分析を用いて検討を行った。その結果,骨盤の前傾群・後傾群によって,下肢機能の寄与率が異なることが明らかとなった。②では,対象者を4つに分類した立位姿勢タイプで検討を行なった。その結果,4タイプで年齢や身長・体重の基本属性や身体機能に差がないにも関わらず,歩行速度に重要な下肢機能が異なることが明らかとなった。 これらの結果から,立位姿勢によって,歩行機能を決定する要因が異なるという仮説が支持されたと考えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウィルスの感染拡大によって、2020から2021年度に地域在住高齢者を対象とした身体機能計測が予定通りに実施できず、進捗に遅延が認められる。具体的には、2021年度までに500名程度の計測を予定していたが、2022年度までに400名程度の計測しか実施できておらず,立位姿勢タイプごとの歩行速度の規定要因分析が予定通りに進めることができなかった。また、姿勢分類に基づく介入を予備的に実施したが,検討に十分な参加者を募集することができなかった。この点についても少し遅延が認められる。 しかし,2022年度は大規模な身体計測会も実施でき,小規模ではあるが介入研究を実施することができた。また,他の研究のデータベースを活用し,歩行分析の解析は進める予定である。当初の予定から1年遅れてはいるが,研究計画通りの検証を2023年度で実施することが可能と考えている。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度の上半期には大阪府下の地域在住高齢者を対象とした計測を進め,立位姿勢タイプごとの歩行速度の規定要因分析を終了させる。その知見に基づき,下半期には立位姿勢4タイプごとの介入プログラムを作成し,その効果検証を行う。運動介入としては、各群20~30名程度の介入を予定している。 全体としては進捗状況に遅れが認められるものの、本研究の展望を加速させる技術を得ることができたため、今後はよりスピードアップして進めていきたいと考えている。
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