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日本における適正な補聴器供給体制の確立に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 20K11168
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分59010:リハビリテーション科学関連
研究機関北里大学

研究代表者

佐野 肇  北里大学, 医療衛生学部, 教授 (80205997)

研究分担者 古木 省吾  北里大学, 医学部, 助教 (30748679)
原 由紀  北里大学, 医療衛生学部, 教授 (50276185)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
キーワード補聴器販売店 / 補聴器適合検査 / 実耳測定 / 補聴器フィッティング / 補聴器特性測定 / 音場検査 / 規程選択法 / アンケート調査 / 増幅特性 / 実耳特性
研究開始時の研究の概要

日本における適正な補聴器供給体制のモデルを構築することを目標とし、本研究ではそのための基礎的情報の獲得から具体化に向けて下記の2課題を実施する。
1)日本全国の補聴器販売店に対してアンケート調査を行い、現在の供給体制の実状を把握する。
2)1)で判明した現状を考慮して、一般の補聴器販売店において各難聴者のそれぞれの耳に対して適正な補聴器増幅特性を実現できる実践的方法を構築する。現時点での計画では、補聴器特性測定装置による測定値から各難聴者の実耳での出力値を可能な限り正確に推定できるようにする方法を構築することを目標としている。

研究実績の概要

2020年11月から2021年2月に日本で補聴器を販売している店舗(4502店舗)に対して、郵送法によるアンケート調査を実施した。アンケート調査の主要項目は「店舗の概要」「スタッフの構成」「店舗の設備」「補聴器フィッティングの方法」の4項目である。アンケート調査結果の概要は以下の通り。
得られた回答は1032件で回答率は22.9%であった。そのうち34%が補聴器専門店、兼業店が66%であった。年間販売台数別では100台未満が62%、100台以上が36%であった。認定補聴器技能者が1人以上在籍している店舗は63.4%であったが、言語聴覚士が1人以上在籍している店舗は5.6%であった。店舗の設備としては、PCによる接続調整システムやヘッドホンを用いる聴力測定装置は97%以上の店舗が有していた。一方、補聴器特性測定装置は57%、実耳測定機器は45.5%、スピーカによる聴力測定装置は65%の店舗が有しており、3つの装置のいずれも有していない店舗は17.6%であった。初期設定前の聴力測定はほとんどの店舗で実施しており、初期設定方法についてはメーカー独自の方法を用いているという回答が多く見られた(80%、830店舗)。初期設定後に補聴器特性測定を行っている店舗は全体の約51%であった。補聴器の装用効果の評価に、音場での語音検査を実施している店舗は70%で、音場での閾値測定は68.3%、実耳測定は約27%の店舗で実施されていた。補聴器の特性に関する客観的評価(特性測定、実耳測定、音場閾値検査)が全く実施されていない店舗が約14%に認められた。
調査の結果をまとめ論文に投稿し掲載された(Auris Nasus Larynx 50:841-847、2023 doi: 10.1016/j.anl.2022.11.009)。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

一般の補聴器販売店において各難聴者のそれぞれの耳に対して適正な補聴器増幅特性が実現できる実践的方法を構築することを目標に、補聴器特性測定装置による測定値から各難聴者の実耳での出力値を可能な限り正確に推定できるようにする方法を構築することでそれを達成する計画でいたが、補聴器特性測定装置を保有している割合が予想していたよりもかなり低かったことより研究計画の再検討が必要になった。2023年度はPC上のフィッティングソフトウエアで推定される実耳挿入利得と音響利得、実耳挿入利得との関係を検討する計画を立案し倫理委員会に提出した。

今後の研究の推進方策

日本の補聴器販売店の現状調査の結果に基づいて、より適切な補聴器供給体制を構築することを目標としては下記の3点について臨床研究を開始する。
1)補聴器フィッティング用ソフトで示される利得の推定値と特性測定装置で測定された音響利得との関係を求める。
2)音響利得から実耳挿入利得を推定する方法を導く。
3)ソフトで示される推定値から実耳挿入利得が推定可能かを検討する。
以上の検討に基づいて一般の補聴器販売店において各難聴者のそれぞれの耳に対して適正な補聴器増幅特性を実現できる方法を構築する。

報告書

(4件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 2021 実施状況報告書
  • 2020 実施状況報告書
  • 研究成果

    (4件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (3件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] Investigation of the current supply system for hearing aids at stores in Japan2023

    • 著者名/発表者名
      Takayama Kotarou、Sano Hajime、Hara Yuki、Furuki Shougo
    • 雑誌名

      Auris Nasus Larynx

      巻: 50 号: 6 ページ: 841-847

    • DOI

      10.1016/j.anl.2022.11.009

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 日本における補聴器供給体制の現状調査(第2報)2023

    • 著者名/発表者名
      新田義洋、佐野 肇、高山浩太郎、梅原幸恵、原 由紀、山下 拓
    • 学会等名
      第68回日本聴覚医学会 2023.10.13 幕張
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 日本における補聴器供給体制の現状調査2022

    • 著者名/発表者名
      古木省吾、佐野 肇、高山浩太郎、新田義洋、梅原幸恵、原 由紀、山下 拓
    • 学会等名
      第67回日本聴覚医学会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] 最新の補聴器の様々な機能について2022

    • 著者名/発表者名
      佐野 肇
    • 学会等名
      第32回日本耳科学会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 招待講演

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公開日: 2020-04-28   更新日: 2024-12-25  

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