研究課題/領域番号 |
20K11188
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59010:リハビリテーション科学関連
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研究機関 | 広島大学 (2022-2023) 和歌山県立医科大学 (2020-2021) |
研究代表者 |
三上 幸夫 広島大学, 病院(医), 教授 (80422129)
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研究分担者 |
田島 文博 和歌山県立医科大学, 医学部, 博士研究員 (00227076)
山上 裕機 和歌山県立医科大学, 医学部, 学長特命教員(特別顧問) (20191190)
幸田 剣 和歌山県立医科大学, 医学部, 准教授 (20433352)
川井 学 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (40398459)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | 膵癌 / 切除可能境界膵癌 / 術前化学療法 / 術前身体機能 / 術前リハビリテーション / 心身機能 |
研究開始時の研究の概要 |
膵癌に対する化学療法の進歩により、切除困難な膵癌に対して術前化学療法が行われ、外科的切除率が向上する時代になってきた。しかし、他方で膵癌術前化学療法を受けた患者では術前心身機能が低下し、術後合併症増加や術後成績低下に繋がる事が懸念されている。そこで本研究では、膵癌術前化学療法施行患者に対して包括的な術前リハビリテーションを実施する。そして、術前リハビリテーションを施行しなかった患者との間で術前心身機能を比較検討し、膵癌術前化学療法施行患者の心身機能低下に対する術前リハビリテーションの効果を検証する。
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研究実績の概要 |
令和5年度にはコロナ禍は収束に向かったが、医療機関でのCOVID-19感染対策は継続していた。そこで、前向き研究である「術前化学療法を施行する切除可能境界膵癌患者に対する術前PROリハビリテーションの効果」を検証するための事前観察研究を進め、「切除境界型膵癌患者に対する術前化学療法が術前身体機能に与える影響と併存疾患との関係」を調査した。本研究の目的は切除境界型膵癌に対する術前化学療法が術前身体機能に与える影響と、患者が有する併存疾患との関連について調査することであり、対象は広島大学病院で切除境界型膵癌に対して術前化学療法を施行した 21例とした。調査項目は6分間歩行距離、握力、併存疾患とし、カルテより後方視的に調査検討した。本研究では握力と6分間歩行距離のどちらか一方が低下したのは33.3%、両方ともに低下したのは23.8%であった。また、身体機能が低下した者は,高血圧・糖尿病・脂質異常症を有しており、併存疾患を考慮した術前リハビリテーションが有効である可能性が示唆された。尚、本研究内容は第60回日本リハビリテーション医学会学術集会で発表した。また、令和3~4年度に行った、広島大学病院と和歌山県立医科大学附属病院との多施設共同観察研究である「Preoperative assessment of physical function in patients treated with Neoadjuvant preoperative chemotherapy for Borderline resectable pancreatic cancer」をISPRM2024(コロンビア)で発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
令和5年度には「術前化学療法を施行する切除可能境界膵癌患者に対する術前PROリハビリテーションの効果」に関する前向き研究を施行する予定であった。しかし、医療機関でのCOVID-19感染対策が継続しており、患者参加拒否のため、十分な対象患者数を確保することが依然として困難であった。そこで、少数ながら前向き研究を進めつつ、事前観察研究である「切除境界型膵癌患者に対する術前化学療法が術前身体機能に与える影響と併存疾患との関係」を調査した。また、広島大学病院と和歌山県立医科大学附属病院の症例を対象とした、多施設での観察研究である「切除可能境界膵癌に対して術前化学療法を施行した患者の術前身体機能に関する後ろ向き観察研究」をさらに進めた。
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今後の研究の推進方策 |
コロナ禍および医療機関でのCOVID-19感染対策が継続していたため、研究期間をさらに1年延長し、令和6年度末までとした。令和6年度はコロナ禍中の令和3~5年度に広島大学病院と和歌山県立医科大学附属病院で実施した、前向き研究の基となる、「切除可能境界膵癌に対して術前化学療法を施行した患者の術前身体機能に関する後ろ向き観察研究」を英語論文としてまとめる。また、医療機関でのCOVID-19感染対策も緩和されてきたことから、「術前化学療法を施行する切除可能境界膵癌患者に対する術前PROリハビリテーションの効果」に関する前向き研究も速やかに進め、令和6年度内には研究結果を報告する予定である。
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