研究課題/領域番号 |
20K11207
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59010:リハビリテーション科学関連
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
関口 兼司 神戸大学, 医学研究科, 准教授 (70533793)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | サルコペニア / 横隔膜 / 呼吸機能低下 / トラッキング / 超音波 / ALS |
研究開始時の研究の概要 |
サルコペニアは四肢筋肉量,筋力,身体機能を合わせて評価されるが,誤嚥性肺炎に関係する呼吸筋の機能は評価が困難なためあまり注目されていない. 本研究では一次性サルコペニアにおける呼吸筋機能低下の客観的指標の一つとして超音波トラッキング法を用いた非侵襲的な横隔膜評価法の確立を目指す. またサルコペニア筋における脱神経や神経筋接合部の変化が注目されている. 高齢者の横隔膜所見を,脱神経を来す筋萎縮性側索硬化症の障害パターンと比較することで横隔膜における運動ニューロン減少の関与を明らかにする.
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研究成果の概要 |
サルコペニアの横隔膜機能を超音波で評価する方法を開発し、その技術を用いてサルコペニアと運動ニューロン疾患における横隔膜機能を比較した。側腹部から記録した超音波画像では横隔膜は呼吸に応じて頭尾方向に移動するため、スペックルトラッキング法でピクセルを追尾するアプリケーションを開発し移動量を計測した。安静時呼吸における移動量は健常者 2.2±2.2 mm、サルコペニア 1.4±0.9 mm、ALS 0.6±1.4 mmで、ALSは健常者に比して有意に小さく、サルコペニアはその中間であった。サルコペニアの病態には筋代謝異常だけでなく、ALSに類似した機能的脱神経が関与している可能性もあると考えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
サルコペニア高齢者の肺炎を防ぎ健康寿命を延伸するために、咳嗽力維持とそれにかかわる横隔膜機能の評価は不可欠である。今回、信頼性のある方法がこれまで存在しなかった横隔膜機能の非侵襲的な評価法を開発した。今後、大規模な検討でも今回のように横隔膜機能低下にALSに類似した機能的脱神経が関与している所見が得られたら、これまでのサルコペニア高齢者に対する一律のレジスタンストレーニング推奨を見直し、個別最適化した訓練方法を検討していく必要が出てくる可能性もある。
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