研究課題/領域番号 |
20K11214
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59010:リハビリテーション科学関連
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
土田 真嗣 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (10719834)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | ギャップ結合 / コネキシン / 関節リウマチ / 運動療法 / リハビリテーション治療 / 細胞間コミュニケーション制御 |
研究開始時の研究の概要 |
関節リウマチ(RA)の滑膜炎,骨破壊が,免疫異常による細胞間コミュニ ケーションの破綻により生じることに着目し,細胞間情報伝達に重要なギャップ結合(GJ)の研究をすすめてきた.GJタンパクがヒトRA滑膜に高発現していることを明らかにし,RA動物モデルの滑膜におけるGJタンパクを局所的に発現阻害することで 一定の治療効果を得た.運動療法にも注目し,トレッドミル走行時のRA動物モデル関節内における分子生物学的な影響を解析し,疾患活動性をコントロールできる運動量を示してきた.本研究ではGJの機能制御と運動療法の組み合わせによるhybrid RA治療法にむけた基礎データを構築することを目的とする.
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研究成果の概要 |
トレッドミル走行の治療効果が関節リウマチ(RA)動物モデルの病期に影響を受けるかを検討した.関節炎期に走行させた群の関節破壊は対照群および関節炎発症前の群と比較して有意に軽度であった.関節炎期において1日30分間,12m/分のトレッドミル走行が滑膜におけるギャップ結合蛋白であるコネキシン(Cx43)発現を抑制して,関節破壊の抑制効果を示した.関節滑膜内でのCx43の染色面積は関節炎期に走行させた群で有意に小さく,関節炎スコアも良好であった.関節炎期のトレッドミル走行が滑膜に機械的刺激を加え,Cx43の発現を抑制することで関節破壊を軽減させた可能性を示した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
研究代表者らはCx43が滑膜におけるTNF-α.IL-6,IL-1βなど炎症性サイトカインを介して関節破壊を誘導することを明らかにしてきた.しかしRAにおいて運動負荷におけるCx43の発現動態は不明であった.本研究でRA動物モデルにおいて一定の運動療法により滑膜内におけるCx43の産生を抑制し,TNF-αの発現を抑制した.また,関節炎期における運動療法によりcathepsin K陽性細胞は減少し,骨形態評価で骨破壊を抑制する効果も明らかにした.臨床上,RA患者の関節炎を経時的に評価し運動療法の施行時期や負荷量を決定することで,Cx43の発現を制御しながら効率的な治療を施行できる可能性がある.
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