研究課題/領域番号 |
20K11218
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59010:リハビリテーション科学関連
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研究機関 | 東都大学 |
研究代表者 |
秋山 純和 東都大学, 幕張ヒューマンケア学部, 教授 (10285976)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | コンパクトMRI / 活動筋分析 / 手内筋 / 把握動作 / 握力把握 / 中間把握 / 精密把握 / 母指把握 / 拇指把握 / MRI / T2 / 運動分析 |
研究開始時の研究の概要 |
運動分析は,これまで表面筋電図と超音波が大きな役割を果たしてきた。表面筋電図では深部筋の導出に問題があり、超音波法では活動範囲が限定される。MRI法では運動による深部筋を含む全ての活動筋、非活動筋の全てが観察でき、協同筋についても分析可能と考えられる。本研究では0.2TコンパクトMRIを用い道具使用時の手内筋活動を分析する。活動筋分析の新しい手法として、臨床における評価にも応用できると考えられる。
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研究実績の概要 |
リハビリテ-ション医学における運動分析は、表面筋電図法、超音波法が大きな役割を果たしてきた。表面筋電図では、深部筋の導出は容易ではなく、また各筋導出数にも制限がある。超音波法では活動範囲が限定される。我々がおこなっているMRI法は、運動による深部筋を含む活動筋、非活動筋の全てが観察でき、協同筋についても分析可能と考えられる。我々は、0.2TコンパクトMRIを用い道具使用時の前腕筋分析を行ってきた。本研究では道具を用いたときの把握動作における手内筋活動分析を進めている。鎌倉(1994)は、把握動作を握力把握系、中間把握系、精密把握系、母指把握系の4つに分類しており、本研究では、これを基に各道具使用時の手内筋活動分析を進めている。しかし、研究期間である3年間は、COVID19の影響を受け対面での測定が困難となった。医療機関ということもあり、施設内への入室制限、県外移動制限があり、困難な状態が続いた。このため、研究の準備として、2021年度にプローブ内の円筒における手の位置と固定方法について、運動前後で同じ位置で撮像できるようにデバイスを作製した。手内筋の測定において、当初、自覚的運動強度としてBorg scaleの18以上として2021年度研究を進めたが、測定結果から負荷強度が強いほど手内筋の協同作用が多くなる可能性が示唆された。このため各手内筋の協同作用を区別するためは、手内筋の単独での活動を測定する必要が生じ、2021年度は、主に手内筋活動を単独に測定するため指煮対する負荷装置を考案作製した。道具を用いたときの活動分析が進めば新しい手法として、リハビリテーション医療に役立つと考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
2021年度研究を行っている施設側よりコンパクトMRIの設置場所の移転要請があり、一時、研究を中断した。また、研究期間である3年間はCOVID19の感染により研究協力者における対面での運動分析が困難な状況が続いた。研究代表者は5回のワクチン接種をおこない研究に備えたが、2021年1月にCOVID19が落ちついたかに見えたとき対面での実験を再開しようとしたが、その後すぐに感染が広がるといったことの繰り返しとなった。2022年3月には、施設の都合により、コンパクトMRIの移転計画があったが移転日が はっきりせず、測定が容易ではない状況となった。また、移転後に部屋の温度管理ができない状況と、また、コンパクトMRI機器における温度制御装置の不具合が生じて、調整が必要となった。装置の調整を行いながら、握力把握系動作である鍋の柄を持っての上下動作について測定を継続している。同時にペットボトルを開けるときの手内筋活動分析を継続している。手内筋は協同作用が大きいと推察されるため、各種の道具を用いたときの活動分析を続けると同時に、2021年度に作製した負荷装置により手内筋各筋単独の活動状態を測定できる必要が生じた。このため手内筋単独での負荷装置を作製し、負荷方法を成考案した。予定より遅れているが、2023年度にタオルを絞る動作、瓶蓋開閉動作、けしゴム使用時等の動作について活動筋分析を順次行う。2021年度はリハビリテーション医学会、日本スポーツリハビリテー ション学会、標準徒手医学会で研究発表を行った。2023年度学会発表を中心に論文発表の予定である。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度に各把握動作の運動分析を順次進めていく。研究場所には医療機関があるため、引き続き研究協力者である対象者のワクチン接種の状況を把握するとともに感染に関して予防を徹底しながら対面での活動筋分析を進める。COVID19の影響があるため、研究協力者はワクチン接種した方のみを基本として研究を進める。現在行って片手鍋の上下運動の手内筋活動分析を行った後に、当初の計画した道具を用いたときの各把握動作いついて順次測定を進める。手内筋の運動はプローブ外で行うため同じ位置に戻すためアクアプラストでデバイスを作製、固定する方法を決定したが、なお微調整を行いながら測定を進める。運動方法、撮像方法を決定した。手を開いた状態で母指MP関節部の横断面を中心とする位置に決定したが、虫様筋について断面積が非常に小さいため、撮像方法についてが画像が1.2倍になるようシーケンスを改良した。運動の種類によって適切な負荷量と運動回数では鍋運動では、握力の5%程度、50回程度と考えられる。各把握運動の分析は、安静時におけるマルチスライススピンエコー法で観察した後、マルチエコー法で観察しT2値を測定する。2022年度は、手内筋個々の活動筋分析 として、最大収縮と考えられるハンドグリップ運動を基準として、片手鍋を持つ運動、消しゴム運動、瓶蓋開閉動作、ペットボトル開閉動作等の手内筋の活動分析を順次行う。報告した前腕筋活動と合わせて考察を行う。2023年度にできる限り順次、握力把握(鉤型)鞄の柄を持つ動作、中間把握(三面 把握標準型)印鑑を押す動作、中間把握(三面把握亜型Ⅱ)鉛筆を使う動作、精密把握(包囲軽屈曲把握)茶筒の蓋を引き抜く動作等の活動分析へと進める。
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