研究課題/領域番号 |
20K11230
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59010:リハビリテーション科学関連
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
田中 亮 広島大学, 人間社会科学研究科(総), 准教授 (50454880)
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研究分担者 |
長谷川 正哉 県立広島大学, 保健福祉学部(三原キャンパス), 教授 (10382376)
田中 繁治 神奈川県立保健福祉大学, 保健福祉学部, 助教 (50817666)
井上 優 吉備国際大学, 保健福祉研究所, 準研究員 (90726697)
伊藤 秀幸 宝塚医療大学, 和歌山保健医療学部, 講師 (40883096)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 膝痛 / 高齢者 / 教育 / エクササイズ / 臨床予測ルール |
研究開始時の研究の概要 |
膝痛は転倒の潜在的な危険因子であり、転倒予防が求められる高齢者にとって改善すべき症状である。膝痛に対して効果が証明されている非薬物的介入として痛み教育、歩容修正、有酸素運動がある。しかしながら、これらが膝痛を有す高齢者全員に有効とは限らない。本研究では非薬物的介入を行っても効果が得られない難治性膝痛を有す高齢者の個人特性を解明する。システマティックレビューを行い、非薬物的介入を行って効果が期待できる高齢者の特性を探る。基礎的研究を行い、歩容修正や有酸素運動の筋生理学的および運動学的な効果を調べる。介入研究を行い、膝痛緩和が得られない高齢者を予測するための臨床予測ルールを作成する。
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研究実績の概要 |
本研究は、非薬物的介入を行っても効果が得られない難治性膝痛を有す高齢者の個人特性を解明することを目的としている。そのために、システマティックレビュー、基礎的研究、介入研究を計画していた。 システマティックレビューについては、非薬物的介入を行って効果が期待できる高齢者の特性を探ることを目標にしていた。非薬物的介入として、集団で行う教育、歩容修正、非接触・非対面で行われる介入などを想定していた。2021年度は集団で行う教育、歩容修正、非接触・非対面での非薬物的介入が膝痛に及ぼす効果を調べたシステマティックレビュー論文を投稿していた。2022年度はそののうち、2編が国際誌にアクセプトされた。 基礎的研究については、歩容修正や有酸素運動の筋生理学的および運動学的な効果を調べることを目標にしていた。2021年度末時点では新型コロナウィルス(COVID-19)の感染拡大に配慮して実施を延期していたが、2022年度も研究参加者数や研究協力者の確保に難渋したため、基礎的研究の実施を2023年度に再延期した。 介入研究については、非薬物的介入を行っても膝痛緩和が得られない高齢者を予測するための臨床予測ルールの作成を目標にしていた。2021年度に続き2022年度も膝痛を有す高齢者を対象にして、痛み教育、歩容修正、有酸素運動から構成される非薬物的介入プログラムを12週間実施した。2カ所の施設でプログラムを実施し、2022年度末までにさらに20名以上の高齢者が参加した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
システマティックレビューについては、順調に進展している。すでに1編の研究論文がアクセプトされていたが、集団教育、歩容修正、非接触・非対面での非薬物的介入に関するレビューの成果をまとめ、計3編、国際誌に投稿し、そのうち2編がアクセプトされたことは予定通りである。現在は、残る1編も査読中であり、2023年度中のアクセプトを目指す。 基礎的研究については、筋生理学的および運動学的研究がやや遅れている。2021年度と同様に予定どおり実施できなかった。研究プロトコルは完成し、測定に必要な機器は準備できているため、2023年度は研究参加者と研究協力者を確保して研究を実施する予定である。 介入研究については、COVID-19感染予防に配慮しながら2022年度も継続できた。2022年度末までに80名の高齢者の研究参加を見込んでいた中、最終的に70名以上の高齢者が研究に参加した。現在は、非薬物的介入を行っても膝痛緩和が得られない高齢者を予測するための臨床予測ルールを作成するために、データセットを準備している。
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今後の研究の推進方策 |
システマティックレビューについては、順調に進展しているため、2022年度に引き続き2023年度も人員を雇用し、残る1編の論文のアクセプトを目指す。また、学会での発表も行う。 基礎的研究については、研究参加者や研究協力者を確保してデータを収集する。データ収集にあたっては、学外から研究協力者を招き、筋電図や加速度計を使用する。また、筋生理学的および運動学的な解析も研究協力者と共同で行う。解析結果を考察し、論文を執筆して2023年度中の投稿を目指す。 介入研究については、データ解析を行う。2020年度から2022年度にかけて合計70名以上の高齢者が研究に参加したため、収集できたデータを整理して統計解析のためのデータセットを作成する。解析結果を考察し、論文を執筆して2023年度中の投稿を目指す。
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