研究課題/領域番号 |
20K11237
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59010:リハビリテーション科学関連
|
研究機関 | 大阪公立大学 (2022-2023) 大阪府立大学 (2020-2021) |
研究代表者 |
大西 久男 大阪公立大学, 大学院リハビリテーション学研究科, 客員研究員 (80194231)
|
研究分担者 |
石井 良平 大阪公立大学, 総合リハビリテーション学研究科, 教授 (40372619)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
|
キーワード | 遷延性意識障害 / 脳波 / 意識障害スケール / 介護者家族 / 介護負担 / D-CAT / 注意機能 / 注意 / 遷延性意識障害者 / デフォールト・モード・ネットワーク |
研究開始時の研究の概要 |
遷延性意識障害は、重度の後天性脳損傷により慢性の意識障害を呈する持続性の植物状態であるが、この状態の患者群は施設や在宅で絶え間なく最重度の介護を必要とし、介護者の身体的・精神的・経済的・社会的負担は非常に大きい。その背景の1つには、遷延性意識障害者からの反応の無さ(乏しさ)、すなわち意思疎通ができないことが挙げられ、刺激に対する脳反応から意思疎通を取る方法を模索し、脳機能リハビリテーションへの応用が試みられてきた。 本研究の目的は、遷延性意識障害を脳活動のネットワークの障害として、脳波検査を用いて、デフォルトモードネットワークをはじめとする安静時脳内ネットワークを定量的に評価することである。
|
研究実績の概要 |
【目的】遷延性意識障害は、重度の後天性脳損傷により慢性の意識障害を呈する持続性の植物状態であるが、この状態の患者群は施設あるいは在宅で絶え間なく最重度の介護を必要とし、介護者の身体的・精神的・経済的・社会的負担は非常に大きい。その背景の1つには、遷延性意識障害者からの反応の無さ(乏しさ)、すなわち意思疎通ができないことが挙げられており、遷延性意識障害者に対してより選択的で効率的な脳機能リハビリテーションへ応用するために、日常臨床において幅広く普及し、安価で簡便、非侵襲である脳波検査を用いて、安静時の脳機能をDMNの枠組みで捉え、脳活動のネットワークの障害として定量的に評価することを目的とする。 【研究実施計画】 本研究は3か年計画である。基本的には、遷延性意識障害者の「意識状態」の評価と脳波解析が並行して行われ、最終的には意識状態と安静時脳波の間の検討が行われる。 ①慢性期の意識障害者の評価スケールの再検討と②研究協力者(介護家族)を幅広く募り、脳波データ利用についての承諾を得て、③個々人の脳波について、eLORETA-ICA解析を行い、安静時大脳皮質皮質下回路についてデータベース化し、④健常成人のデータベースとの比較・検討を意識状態との関連で行うこと、が基本的な計画である。 ※COVID-19の影響で脳波データの収集が滞っていたため、研究依頼時に、介護負担・不安に関する質問紙も実施した。 ※D-CAT注意機能スクリーニング検査の健常者・児の標準化については、高校生に加え、中学生にも対象を広げる。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
・COVID-19の影響で遅れていた遷延性意識障害者の脳波データの収集については、令和5年度内で延べ90人分が収集できた。現在は、本解析を行うための前処理を順次行うとともに、各被検者の脳波検査時の意識レベルについての整理も行っている。令和6年度内には、分析が終了出来得る目途がたった。 ・依頼時に並行して聴取していた介護負担のデータ分析については、学会で報告を行った。 ・D-CATの標準化については、高校生のサンプル数を増やすとともに、中学生のサンプルを加え再分析中である。
|
今後の研究の推進方策 |
・上述したように、脳波データの収集については、令和5年度でひとまず終了し、令和6年度は脳波解析に注力する。被検者個別の解析を行いながら、植物状態/無反応性覚醒状態(VS/UWS)、最小意識状態(-および+)(MCS-とMCS+)の3群間での、パワースペクトラム値およびfunctional connectivityの差異を分析するとともに、デフォールト・モード・ネットワークの枠組みでの検討を行う。 ・D-CATの中高生の再分析を行い、再投稿を行う予定である。
|