研究課題/領域番号 |
20K11239
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59010:リハビリテーション科学関連
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研究機関 | 和歌山県立医科大学 |
研究代表者 |
幸田 剣 和歌山県立医科大学, 医学部, 准教授 (20433352)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 運動療法 / 温熱療法 / 頚下浸水 / Myokines / 健常高齢者 |
研究開始時の研究の概要 |
マウスにおける実験からBDNFが増加するメカニズムが報告されている。若年健常者を対象として42℃20分間の頚下浸水を行い、BDNFが上昇したという当科の研究があるが、健常高齢者を対象とした温水頚下浸水の研究はない。水中運動の先行研究はあるが、温浴下の運動についての研究は皆無である。したがって、科学的検証に耐える条件の下で運動機能障害のある高齢者に温浴を利用することで、日本中で行われている温泉・温浴治療や家庭で行われている日常の入浴がmyokines分泌という面から有効に行うことができ、国民の健康維持増進に繋がる。さらに、運動でのmyokines上昇を望みにくい高齢者の医療費低減にも寄与する。
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研究実績の概要 |
運動に伴う骨格筋の収縮により骨格筋由来の分泌因子であるMyokineが、温浴と運動を組み合わせることで動態に変化を認めるかを検証することで、効率的な運動法・温浴法を見出すために、医学的に問題のない若年健常者10名を対象として中性温頚下浸水か温水頚下浸水の条件下で、被験者毎に最大酸素摂取量の60%を負荷量として測定を行う予定であったが、感染対策の影響でプロトコルに沿った研究は延期し、情報収集を主に継続していた。 実施計画として、まず若年健常者を対象とした測定を実施する。安静座位30分の後、温水(42度C)で20分間頚まで浸水(頚下浸水)を安静座位で行い、浸水前、直後、1時間後の血中TNF-α,IL-6,BDNF,Irisin等を測定する。対照実験として、中性温頚下浸水(35度C)安静座位、中性温頚下浸水下でエルゴ運動、温水頚下浸水でエルゴ運動、を負荷し、それぞれ比較検討する。また、CK、LDH等の逸脱酵素と糖代謝に関するグルコース、インスリンを測定する。これらの条件でのMyokines動態から、運動と温浴療法におけるMyokines発現に対する効果と機序を検討する。 今年度中に若年健常者を対象とした測定を進行する計画である。 現在渉猟しうる先行研究で同様の成果を報告したものはないため、運動機能障害のある高齢者も対象として研究を継続することで、認知症を含めた神経精神疾患や糖代謝障害の発症を予防し、悪化を防げる可能性がある。経験則に頼ってきた温泉医療の臨床・基礎医学的の発展に寄与することが考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
本研究では研究スタッフ、被検者を含めて大勢が一堂に会して測定を実施する必要があり、COVID-19感染拡大の影響で、実施できていなかった。感染対策の下での実施を検討していたが、温浴が前提にある研究であり、被検者が十分な感染対策を取ることは困難で、新型コロナウイルス感染症が5類感染症移行後にもインフルエンザの流行も続き、実施場所となる病院での感染症対策が継続されたため実施を延期していた。
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今後の研究の推進方策 |
測定が行えるように、感染対策の手法についても検討を継続したが、感染した場合にリスクが高い高齢者や障害者での実施は困難と判断し、今年度中に感染対策に配慮しながら若年健常者に限って研究を推進していく計画である。
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