研究課題/領域番号 |
20K11242
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59010:リハビリテーション科学関連
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研究機関 | 杏林大学 |
研究代表者 |
丹羽 正利 杏林大学, 保健学部, 教授 (90274985)
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研究分担者 |
岩崎 也生子 杏林大学, 保健学部, 准教授 (00515827)
福田 実乃里 杏林大学, 保健学部, 助教 (40827680)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 腹壁筋 / 固有背筋 / 運動ニューロン / 運動野 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、姿勢制御にとって最も重要だと考えられる腰部の各々腹側と背側にある腹壁筋と固有背筋の脊髄神経機構を探究することが目的である。1年目は、腹壁筋と固有背筋の役割を理解するために、その運動神経核の分布を解析する。2年目は、さらにαとγ運動ニューロンを詳細に解析するため、各運動ニューロンに対して特異的なマーカーを使った免疫組織化学染色を行い解析する。3年目は、運動野における体幹筋の脳局在を解析する。また、腹壁筋と固有背筋の運動神経核の老化による影響を解析する。体幹筋運動ニューロンの特徴とその老化の影響を明らかにすることにより、老化や脳障害後に見られる体幹筋の病態解明の一助となる可能性がある。
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研究成果の概要 |
本研究は、姿勢制御、呼吸や排尿・排便などの広範囲の運動に重要だと考えられる体幹筋、とくにその腹・背側を占める腹壁筋と固有背筋の役割を理解するために、それら運動神経核の分布及び運動野における脳地図を作成することが目的である。 後枝運動ニューロンの細胞体断面積の分布は二峰性であったが、前枝運動ニューロンは単峰性であった。前枝運動ニューロンは側索に密な樹状突起を伸ばす一方、後枝運動ニューロンは前索方向に密な樹状突起を伸ばし一部が白質部分に侵入していた。大脳皮質運動領野の微小電気刺激とそれによる腹壁筋群、固有背筋群の誘発筋電図の結果、下肢領域の閾値上の刺激強度で体幹筋が応答することが明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、姿勢制御などの運動に重要だと考えられる体幹筋、とくにその腹背側を占める腹壁筋と固有背筋の役割を理解するために、その運動神経核の分布と運動野の支配領域を調べた。前枝運動ニューロンは側索を通る網様体脊髄路と後枝運動ニューロンは前索を通る前庭脊髄路とシナプス結合をしていることが示唆された。大脳皮質運動野では、下肢領域の閾値上の刺激強度で体幹筋が応答することが明らかになり、体幹領域は下肢領域に隠されている可能性が示唆された。姿勢制御にとって最も重要だと考えられる腰部の体幹筋について、その腹背側の特徴を明らかにすることができ、老化や脳障害後に見られる体幹筋の病態解明の一助となる可能性がある。
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