研究課題/領域番号 |
20K11251
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59010:リハビリテーション科学関連
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研究機関 | 株式会社関西メディカルネット(関西電力医学研究所) |
研究代表者 |
恵飛須 俊彦 株式会社関西メディカルネット(関西電力医学研究所), リハビリテーション医学研究部, 部長 (40278510)
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研究分担者 |
福永 雅喜 生理学研究所, システム脳科学研究領域, 准教授 (40330047)
村瀬 智一 明治国際医療大学, 医学教育研究センター, 客員助教 (00708943)
梅田 雅宏 明治国際医療大学, 医学教育研究センター, 教授 (60223608)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 安静時機能的MRI / 脳内機能的結合 / 自動車運転 / 内側眼窩前頭皮質 / デフォルトモードネットワーク / 視空間認知 / 安静時fMRI / ドライブシミュレーター / SDSA / 脳領域間機能的結合 / 安静時脳機能MRI画像 / 拡散テンソル画像 / 高次脳機能障害 / リハビリテーション |
研究開始時の研究の概要 |
今後訪れる超高齢社会での交通事故被害において、高齢者の認知機能低下による影響は無視できないレベルに達すると思われる。自動運転など自動車機能の改良に関してはマスコミでも注目されているが、運転者側の対策は未だ十分になされていない。本研究では、自動車運転に関わる注意機能、遂行機能、記憶機能などの認知機能評価を安静時機能的MRI及び拡散テンソル画像を撮影し、脳内各領域間の相関(Zスコア)と白質FA値を通して画像的に行うシステムを確立する。これにより、客観的な自動車運転の可否評価や操作ミス事故を防止するための脳トレーニング(リハビリテーション)をオーダメードで作成するために活用していくことも可能となる。
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研究実績の概要 |
超高齢社会の到来に伴い、高齢者の認知機能低下が社会に及ぼす影響は重大である。近年、高齢者の自動車運転における操作ミスによる事故の報道があとを絶たず、自動運転など自動車側の試みはなされているものの、運転者側の対策は未だ不十分である。認知機能障害は、いわば電気回路のような脳内領域間の内在的配線におけるネットワーク機能の低下と関連していると考えられ、自動車運転能力に関連した脳内領域間の機能的結合の状態を画像で評価することができれば、社会的に有用なtoolとなりうる。 2018年自動車運転に関連した高速判別タスクを用いたfMRI研究では、高速判別能力のような微細な視空間認知機能における加齢に伴う低下はデフォルトモードネットワーク(DMN)の活動、接続性の調節が欠如していることに関連していると報告された。 一方、2022年我々は左半側空間無視(USN)の関する研究で、右下頭頂小葉とDMN領域である内側眼窩前頭皮質(OMPFC)との機能的結合について、USNを認めない症例では負の相関を示すのに対し、 USNを認める症例ではその相関が失われる傾向があることを報告しており、OMPFCを関心領域とし、脳卒中後などの高齢者を対象とし、検討を行なった。 両側OMPFC間のFCS は、ドライブシミュレーターにおける選択反応動作速度と有意な相関を認め、脳卒中ドライバースクリーニング評価日本版(SDSA)評価でも合格予測式値と不合格予測式値の差分やコンパス評価値とも有意な相関を認めた。また、SDSA評価で不合格予測式値が合格予測式値を上回ったり、コンパス評価値が低い症例では、右下前頭回と両側OMPFCとの間の負のFCSが失われる傾向を認めた。 安静時fMRIを用いて、自動車運転に関連する認知機能の画像的評価が可能であることが示唆された。
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