研究課題/領域番号 |
20K11260
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59010:リハビリテーション科学関連
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研究機関 | 奈良県立医科大学 |
研究代表者 |
大森 斉 奈良県立医科大学, 医学部, 研究員 (80213875)
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研究分担者 |
國安 弘基 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (00253055)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | がん性心筋障害 / DAMP / ミトコンドリアDNA / Covid-19 / HMGB1 / がん性悪液質 / 中鎖脂肪酸 / ケトン体 / サイトカイン / ミトコンドリア / エネルギー代謝障害 / がん性心筋悪液質 / 心筋分化 / 酸化ストレス / がん / 悪液質 / 心筋障害 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、がん患者の死因として心機能障害が重視されているが、申請者はその原因として癌に由来する変性産物であるDAMPが心筋障害をもたらすことを見出した。さらに、そのDAMPの中でもミトコンドリアDNAが心筋の炎症性サイトカイン産生を促進し無菌性炎症を惹起したが、ミトコンドリアDNAに炎症を惹起する特異的な配列が存在する可能性が示唆された。本研究では、このDAMPコンセンサスとも考えられる配列を解明し、がん性心筋障害の診断マーカーに、さらに、治療標的として応用可能にする基礎的知見を得ることを目的とする。本研究の結果は、がん性心筋障害の機序を解明し、予防・治療を可能にすると期待される。
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研究成果の概要 |
ミトコンドリアDNAの中でもコンプレックスVの断片がラット心筋芽細胞に増殖抑制を示した。さらに、コンプレックスVの遺伝子配列の中にCovid-19と相同性を有するフラグメントが存在することを見出した。このフラグメントは2本鎖DNAの状態で、HMGB1発現誘導、酸化ストレス誘導とATP産生の低下をもたらし細胞機能を障害した。さらに、このフラグメントはラットがん性悪液質モデルの血中に検出された。これらのことから、このCovid-19相同性ミトコンドリアDNA断片が、がん性悪液質における心筋障害に重要な役割を果たすことが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
がん患者における心筋障害は、患者予後を増悪する重要な因子であったが、その発生機序は不明な点が多かった。本研究では、ミトコンドリアDNAの中でもコンプレックスVに存在するCovid-19と相同性を有する配列が、心筋障害に有用な役割を果たすことを見出した。この結果は、がん性悪液質のみならず、コロナ感染症やその他のDAMPに関連する心筋障害において、診断や治療の標的となる物質の同定の可能性を示唆するもので、その意義は大きい。
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