研究課題/領域番号 |
20K11262
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59010:リハビリテーション科学関連
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研究機関 | 獨協医科大学 |
研究代表者 |
橘 篤導 獨協医科大学, 医学部, 講師 (80409995)
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研究分担者 |
田口 大輔 帝京大学, 医療技術学部, 准教授 (00390112)
辰元 宗人 獨協医科大学, 医学部, 教授 (30296157)
入江 駿 獨協医科大学, 医学部, 講師 (60918887)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | fNIRS / 認知症 / リハビリテーション / 脳機能イメージング / スクリーニング / 客観的簡易診断 / 低出力パルス波超音波 / 低出力パルス超音波刺激 / 神経科学的評価 / 認知機能低下抑制 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、低侵襲性の低出力パルス波超音波(low-intensity pulsed ultrasound: LIPUS)を照射することで脳に行き渡る毛細血管の微小循環障害が改善され、延いては認知症の改善にもつながるという先行研究の仮説に対し、従来のスクリーニングテスト などによる心理学・行動学的評価のみならず、先端的な脳機能イメージング法(fNIRS)を用い神経科学的に本治療法を評価することで新規リハビリ法における有効性の確立を目指すこととする。
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研究実績の概要 |
本研究は、脳への低出力パルス超音波の刺激が、アルツハイマー型認知症モデルにおいて認知機能低下を抑制する可能性があるという他機関の先行研究に基づいている。このような低出力パルスの超音波による低侵襲的治療法の効果について、本研究では、認知症における新たな治療手段としての有用性を、従来の被験者主観性に基づいた心理学的評価のみならず、先端的な脳機能イメージング法(近赤外線分光法;fNIRS)を用い神経科学的に解明することで、客観的な評価による新しいリハビリ法を確立して認知症患者の「生活の質(QOL)」の向上を目指し、幅広く社会に貢献することを目的とする。 その中でも、本研究ではポータブルのfNIRSを用いることで、認知症者や健常者の認知機能について如何に簡易で客観性・正確性に富んだ結果を取得できるかに重点を置いた。共同研究機関の介護老人保健施設にて認知症被験者を募り、認知課題遂行時の前頭極脳血流を計測したところ、健常者群と比べ、認知症者群では優位に酸化型ヘモグロビンの増加量が少なく示された。また、認知症者群の血流増加のピークは、健常者群のそれと比べて遅延することが示唆された。このような成果は第129回日本解剖学会総会・全国学術集会にて発表された。このようなポータブルのfNIRSを用いた客観的認知機能診断の方法論について、今後、被験者数を増加させ、Methodlogy系の査読付き国際誌にて、投稿・出版を予定している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
初年度の2020年度では、先行研究グループ傘下に加わり共同研究体制を立ち上げる予定であったが、新型コロナウィルスの影響で先行研究グループの進捗が遅れをとることとなったため、本グループではこれを埋め合わせするために携帯型fNIRSを用いた認知症患者の神経科学的評価を検討する目的で研究体制を整え直すこととした。2022年度以降では、獨協医科大学病および介護老人保健施設こすもぴあの臨床医の協力を得ることで、先行実験として携帯型のfNIRSを用いて認知症者およびコントロールとなる健常被験者の基本的な脳機能データを収集することとした。進捗はやや遅れているものの先行実験の成果は着実に出ており、それらの解析結果を第129回日本解剖学会総会・全国学術集会にて発表した。最終年度(2024年度)にて、この成果をさらにまとめ、査読付き国際誌に投稿・出版する予定である。
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナウィルスの影響により当初見込んだ被験者数が獲得できなかったため、研究期間の最終年度であった2023年度において充分な成果が得られなかったので研究期間の延長申請を行い2024年度中に成果をまとめることにした。獨協医科大学病院の臨床研究審査委員会からは既に研究期間の延長承認を得ているいるため、引き続き認知症被験者を募りデータ収集を行う。進捗は遅れているものの、手法や手続き、解析法等は既に確立されており、2024年度中に一定の成果は得られる予定である。収集されたデータは、研究代表者や研究分担者がこれまでに論文・学会等で報告してきたノウハウに伴い、統計的な解析を行い、Methodlogy系の査読付き国際誌にて、投稿・出版を予定しており、2024年度にて本研究の最終的なまとめを行うこととする。
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