研究課題/領域番号 |
20K11268
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59010:リハビリテーション科学関連
|
研究機関 | 東邦大学 (2022) 東京工科大学 (2020-2021) |
研究代表者 |
菅原 仁 東邦大学, 医学部, 非常勤研究生 (90613290)
|
研究分担者 |
只野 ちがや 東邦大学, 医学部, 講師 (40261094)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
|
キーワード | 遠心性収縮 / ダウンヒル / 低強度 / ヒールレイズテスト / 歩行トレーニング |
研究開始時の研究の概要 |
歩行を使った筋力トレーニングは、日常生活に取り入れやすいが、通常の歩行速度では筋力の向上効果がないことがわかっている。そのため、低強度でも効果の得られる歩行トレーニング方法の開発が必要となっている。低強度でも遠心性収縮の筋力トレーニングは効果的であるとわかっているが、ダウンヒル歩行を使った筋力トレーニングの効果は明らかになっていない。世界的な風潮として、低強度での筋力トレーニングでは、疲労・疲弊するまで反復し、運動量を多くしてきた。しかし、低強度であっても速筋線維が動員されるとすると低強度、低頻度でも効果がある可能性がある。新しいトレーニング方法としての低強度ダウンヒル歩行の効果検証を行う。
|
研究実績の概要 |
遠心性収縮運動は、速筋線維の活動を誘発しやすくトレーニング効果の高いことがわかっている。しかし、遅発性筋痛を発生することがあり高齢者のトレーニングに使用しづらい。そのため、高齢者の健康増進や介護予防を目的とした遠心性収縮トレーニングでは運動強度を下げる必要がある。2020年から2021年度の研究にて、ゆるやかな下り勾配(-6%)と急な下り勾配(-12%)の歩行を比較し、筋活動からゆるやかな-6%勾配、4km/時でもトレーニング効果を得られる可能性があることがわかった。また、中年者に対して3週間のダウンヒル歩行トレーニング(-6%勾配、4km/時)を行い、下肢筋力の増大効果が得られ、高齢者でも安全にトレーニングできる可能性が示唆された。 そこで、2022年度には、高齢者(60歳以上の80歳未満)、男女24名を対象として、コントロール群とダウンヒル群に分けて筋力と筋電図の測定からトレーニングの効果を検証した。トレーニングにはトレッドミルを使用した。両群ともトレーニング期間は6週間、歩行速度を3.0~4.0km/時、歩行時間を10分から開始し徐々に歩行時間を延ばし30分間とした。コントロール群では平坦歩行とし、ダウンヒル群では-6%勾配とした。結果は、ダウンヒル群に膝伸展と足底屈筋力の増大傾向が認められた。また、ダウンヒル歩行で遅発性筋痛を訴える被験者はおらず、低強度で安全に実施できた。低強度ダウンヒル歩行トレーニングは、高齢者やフレイル該当者に使用できる可能性が示唆された。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2022年度内に36名を対象としたトレーニング実験を行う予定であった。しかし、COVID-19の影響により、予定していた被験者12名のトレーニングを実施することができなかった。また、トレーニングに参加した24名の内、5名が体調不良により途中中止となったためである。
|
今後の研究の推進方策 |
2023年度は、2022年度に実施したダウンヒル歩行トレーニングの効果検証を継続して行う。対象は2022年度と同様に60歳以上80歳未満とする。また、歩行トレーニング開始時と6週後に表面筋電図測定を行っており、トレーニング効果が得られやすさい被験者の筋活動パターンの特徴を明らかにする予定である。
|