研究課題/領域番号 |
20K11303
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59020:スポーツ科学関連
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
渡部 厚一 筑波大学, 体育系, 教授 (30447247)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 水中運動 / 呼吸機能 / 認知機能 / 高齢者 / 呼吸機能と換気パターン / 脳血流 / 運動強度 |
研究開始時の研究の概要 |
呼吸器疾患や加齢により呼吸機能が低下すると、運動時息切れや呼吸困難感が発生し、運動意欲低下や身体活動量の減少、運動耐用能低下が導かれる。また、低酸素血症は認知機能障害との関連性が示唆されている。呼吸器疾患の改善・予防のための運動療法が現在推奨されるが、水中運動の応用性は未だ明らかにされていない。安静時の鎖骨位浸水が肺活量や吸気筋力に影響を与えることなどから、30分単回の水中エルゴメータ運動や、1回1時間、週2回、12週間の水中トレッドミル運動から、呼吸筋力や血流量測定などの指標によりどのように呼吸機能及び認知機能に効果を与えるかを比較検討する。
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研究実績の概要 |
研究課題を、課題1(観察研究):水中運動が成人男性の呼吸・認知機能に与える影響、課題2(介入研究):12週間の水中運動が高齢者の呼吸・認知機能に与える影響に分けて検討してきた。 課題1では、剣状突起以上の浸水位での呼吸抵抗値の増加から、プール施設の浸水位でも呼吸仕事量を増加させる可能性を確認したため、剣状突起水位、中立水温での水中自転車運動と同運動強度の陸上運動で比較した。水中条件の中等度運動では呼吸数増加、一呼吸あたりの吸気時間短縮と吸気フロー増加、終末呼気二酸化炭素減少を認め、水中運動は陸上運動よりも特に吸気呼吸相に負荷をかける運動様式であり、浸水が運動強度依存的に換気に影響を及ぼすことが示唆された。また、換気の肺気量位を示すOperating lung volumeに着目して比較検討したところ、中等度運動までの水中条件のOperating lung volumeは、陸上より呼気側に位置し、予備呼気量の減少に影響を受けたと考えられた。 認知機能については、陸上と水中の両条件で中強度までの自転車運動を実施し、酸化ヘモグロビン濃度を測定した。認知機能において重要な前頭前野の酸化ヘモグロビン濃度はどの運動強度でも両運動条件でほぼ差が認められなかったが、中強度運動では背外側の一部で水中条件が高く、水中運動中の実行または注意制御との関連性が示唆された。 課題2では、一般的に普及している水中歩行に着目し、健常中高年者を対象に水中と陸上の2条件でNIRSを測定しつつ25mの折り返し歩行とストループ課題からなる実行機能テストを行わせた。その結果、水中歩行では特に折り返し場面で前頭前野の総ヘモグロビン濃度が陸上条件よりも高く、実行機能テストも水中歩行で高値を示した。水中で方向転換する際には水流や抵抗を受けるため、前頭前野の脳活動の亢進を介して実行機能テストに影響を与えた可能性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
課題1については、当初計画にあるように2020年度内に実施してデータの取得も完了し、論文公表も行えたことからある程度順調な進捗と考えている。 一方、課題2については、呼吸器感染症としての新型コロナウィルス感染症蔓延によって、呼吸機能検査や高齢者への長期介入が困難な状況が続いてきた。このため、進捗状況を「やや遅れている」と判断した。
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今後の研究の推進方策 |
現在までの進捗状況を踏まえ、今後の研究の推進方策として、課題1により重点を置き、Operating lung volume に着目して水中運動の呼吸機能のさらなる解明や、水中運動における呼吸機能と認知機能との関連性を検討している。特に、後者では歩行運動の際、呼吸関連指標を同時に計測できなかったことから、ウェアラブルデバイスなどを用いた呼吸関連指標の同時計測の可能性も検討している。 一方、新型コロナウィルス感染症蔓延による行動制限もようやく緩和されてきたことから、課題2に対しても可能な限りチャレンジしていく。
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