研究課題/領域番号 |
20K11308
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59020:スポーツ科学関連
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研究機関 | 高知大学 |
研究代表者 |
中村 哲也 高知大学, 教育研究部総合科学系地域協働教育学部門, 准教授 (10712284)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 体罰 / しごき / 上下関係 / 野球 / 体育会系就職 / スポーツ史 / 体育史 / スポーツ社会学 / 運動部 / 体罰の再生産 / 日本 / 暴力 / 篩い落とし / 監督制 / 社会史 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、日本野球界における体罰・しごき・上下関係の実態、およびそれが発生・拡大することとなった構造的要因を歴史学的な視角と方法を用いて実証的に解明することである。研究課題の遂行に際して日本野球界の①体罰・しごきの実態、②その要因となった部・チームの上下関係や活動の実態、③部・チームの実態の変化をもたらした野球界の状況、④野球界の状況を生み出した政策や社会的背景、という4点から解明していく。
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研究成果の概要 |
明治期から現代まで、野球を中心とした日本スポーツ界において、体罰やしごき、上下関係等の実態とその変化、それが発生・拡大・激化生するようになった構造的要因について、歴史学的手法に基づいた実証的な研究を行った。上記の課題を解明するため、選手の自伝・回想録や、高校(旧制中等学校)・大学の野球部史・学校史、社会人・プロ野球チームの球団史などの史料を網羅的に収集・分析した。 その結果、日本スポーツ界の体罰は、学校を中心にした運動部の組織化とそれを基盤とした大規模な大会の成立、スポーツによる進学・就職、競技人口の拡大、競技レベルの上昇等の構造的な要因によって発生・拡大したことを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究により、日本スポーツ界の体罰・しごき等の実態やその歴史的変化、およびそれらが発生する要因となっている日本スポーツ界の構造的問題点を明らかにするとともに、それらを軽減・根絶するために、1校から複数チームの大会出場、合宿所の廃止・環境整備、選手の移籍しやすい環境・ルール作り等の対策が有効なことを指摘した。 2023年12月、本研究の成果をまとめて『体罰と日本野球 歴史からの検証』(岩波書店)を刊行すると、多くの新聞・雑誌で書評やインタビュー記事が掲載されたり、ラジオ番組に取り上げられたりするなど、多くの反響を呼んだ。また、第33回高知出版学術賞にも選ばれるなど、社会的注目を集めた。
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