研究課題/領域番号 |
20K11320
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59020:スポーツ科学関連
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研究機関 | 東海大学 (2023) 東京有明医療大学 (2020-2022) |
研究代表者 |
笹木 正悟 東海大学, 体育学部, 特任准教授 (30563473)
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研究分担者 |
永野 康治 日本女子体育大学, 体育学部, 准教授 (00548282)
市川 浩 西九州大学, 健康福祉学部, 准教授 (20375463)
小山 孟志 東海大学, スポーツ医科学研究所, 講師 (90734830)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 高加速度 / 発生頻度 / サッカー / 踵骨骨端症 / 誘発事象 / 小学生 / 衝撃負荷 / 加速度 / 変化 / 成長関連障害 / 予防 / 外的負荷 / 障害予防 / 児童 / 発育 / スポーツ傷害 / 発生機序 / 加速度センサ |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、児童期のスポーツ現場から傷害発生と関連する危険因子やメカニズムを定量的に評価することである。特に、実際の試合場面で発生する衝撃負荷に着目し、子どもの身体に作用する動作・力学特性を明らかにする。対象は、スポーツ少年団に所属するサッカー選手とする。加速度センサを用いて、試合場面で生じる身体負荷を定量的に評価する。また、身体(体格、発育段階)および体力(スピード、ジャンプ、動的バランス)の特性を調べ、選手個人の素因について分析する。発育段階によって、児童が有する内的因子のみならず、試合で生じる動力学特性がどのように変化するのかを探る。
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研究実績の概要 |
令和5年度は、研究期間を通して収集してきたデータに統計解析を加え、横断的にまとめあげた。対象は小学生男子サッカー選手62名であり、学年別にみてみると小学3年生9名(9.2±0.3歳)、小学4年生14名(10.2歳±0.3歳)、小学5年生26名(11.3±0.3歳)、小学6年生13名(12.2±0.3歳)となった。加速度センサが内蔵されたGPSデバイスを体幹上背部に装着して8人制サッカーの試合を行ったところ、1分間あたりの走行距離は学年があがるにつれて大きくなることを確認した(3年生89.9±7.3m/分、4年生96.9±8.4m/分;5年生100.0±10.6m/分;6年生, 103.2±9.2m/分)。また、試合中の高加速度場面(合成加速度>4G、6G、8G)を観察してみると、>4Gとなる発生頻度は6年生(20.1±7.7回/分)が5年生(37.0±14.8回/分)、4年生(37.0±10.3回/分)、3年生(38.9±10.1回/分)に比べて有意に少なかった。その一方で、>6Gおよび>8Gとなる発生頻度について学年間での統計学的有意差はみられなかったものの、6年生は5年生以下に比べて少ない傾向を示した。片脚ドロップ着地テストを用いたラボ実験においても、20cm高台から行う着地時に生じる鉛直床反成分を使って衝撃緩衝係数(loading rate:単位時間あたりに受ける衝撃の大きさ)を算出すると、6年生は5年生以下に比べて小さいことを確認できている。つまり、小学6年生(12歳)頃から接地時に受ける衝撃負荷への制御能力は向上してくる可能性が示唆され、小学5年生(11歳)頃に好発年齢を迎える踵骨骨端症は高衝撃な着地戦略が誘発事象の1つになりうると推察できた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
令和5年度は、横断的なデータとして一定の成果をまとめることができた一方で、縦断的データとしての統計解析に至ることができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
令和6年度は、最終的に収集できた1年半(18ヶ月間)のデータを統合・整理し、短期縦断検討としてまとめあげていく。
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