研究課題/領域番号 |
20K11322
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59020:スポーツ科学関連
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研究機関 | 山梨学院大学 |
研究代表者 |
笠野 英弘 山梨学院大学, スポーツ科学部, 教授 (20636518)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2021年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2020年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
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キーワード | スポーツ組織 / ガバナンス / サッカー / 愛好者の組織化 / 登録 / ブラジル / ドイツ / サッカー協会 / 組織内部 / 自立 / 社会的性格 / 組織化 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、スポーツの文化的な自立を目指すための愛好者の組織化を可能にするスポーツ組織のガバナンス構造を国際比較から明らかにすることである。愛好者の組織化には、彼らのプレイ欲求等を満たすような制度的構造の生成と、その制度生成を可能にする組織内構造が求められる。この2つの構造をスポーツ組織のガバナンス構造として捉え、スポーツが文化的に自立していると考えられる国外のスポーツ組織のガバナンス構造を主にインタビュー調査等から明らかにし、それらとの比較分析から我が国のスポーツ組織のガバナンス構造の現状と課題を示すとともに、今後求められるガバナンス構造モデルを提案する。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、サッカーを事例として、スポーツの文化的な自立を目指すための愛好者の組織化を可能にするスポーツ組織のガバナンス構造を国際比較から明らかにすることである。そのため、2023年度は、既に実施した日本及びドイツ調査を踏まえて、ブラジル調査を実施した。具体的には、ブラジルで最も多い人口を有する州のサッカー連盟としてサンパウロ州サッカー連盟(FPF)と、その1割にも満たない人口の州の連盟としてエスピリト・サント州サッカー連盟(FES)を対象に半構造化インタビューを行った。これらの対象組織は、日本及びドイツそれぞれにおいて調査対象とした大規模組織及び小規模組織と比較することを想定して選定した。調査の内容は、日本及びドイツの調査と同様、多様なサッカー愛好者の組織化(登録)を促進するために実施している事業等やそのための組織(協会)内の構造(部署や予算等)、また強化に対する普及(愛好者の登録促進)の位置づけ等とした。 調査の結果、両者の連盟の規模は大きく異なり、愛好者の組織化に対する考えや組織内構造にも違いがみられた。規模の大きいFPFでは、まさに本研究が着目している愛好者を組織化するための制度が生成されており、それを主体的・積極的に形成しようとする組織内構造もみられた。また、サッカーの文化的な魅力を高めることで、観戦者を含めたサッカー愛好者が増加し、それは自ずと競技力の向上にもつながるといった意識をもっていた。一方の規模が小さいFESでは、他のエンターテイメント(遊び)の増加によるサッカー愛好者(特に子どもたち)の減少から、サッカーの文化的魅力を高めることの重要性を認識しているように思われた。しかし、組織成員が少ないという要因もあり、主体的・積極的な組織内構造の編成や制度形成はみられず、また、FESはあくまでも各クラブへの協力や支援が役割であるという認識にとどまっていた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2023年度は、本研究初年度に構築した分析枠組みに基づいて国内外の調査結果を解釈し、それぞれを比較分析することにより、我が国のスポーツ組織のガバナンス構造の現状と課題を、スポーツの文化的な自立や愛好者の組織化という視点から指摘することを予定していた。しかし、2022年度に実施予定だったブラジル調査を実施することができていなかったため、2023年度に当該調査を実施した。当該調査は2023年12月に実施することができたが、同年度内に十分な分析時間を確保することができなかったため、我が国のスポーツ組織のガバナンス構造の現状と課題を指摘する段階にまでは至っていない。ただし、既に分析は進んでおり、我が国のスポーツ組織が目指すガバナンス構造モデルの提案を試みるという本研究の最終年度である2024年度の当初目的を含めて達成することが可能な状況であることから、おおむね順調に進展しているといえる。
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今後の研究の推進方策 |
本研究の最終年度にあたる2024年度は、これまでの文献調査や国内外のインタビュー調査結果等の分析から、我が国のスポーツ組織のガバナンス構造の現状と課題を、スポーツの文化的な自立や愛好者の組織化という視点から指摘するとともに、我が国のスポーツ組織が目指すガバナンス構造モデルの提案を試みる。その際、学会や研究会等における発表や議論を通して分析を深化させるとともに、調査や分析の成果を積極的に公表していくこととする。
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